保健室のモトキ先生 (ページ5)

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Karte3 ページ5

〜放課後〜 Motoki said

数分前に６限終業のチャイムが鳴って
学校を出る生徒達で賑わう校内。

『もう放課後か……』

パソコンを打っていた手を止め、少し背伸びをする。
背中がポキポキと音を立てる。

『今日の生徒数はー…どれどれ……』

手当記録の用紙を纏めながら生徒数を数える。
これが終わらないと帰れないのだ。
めんどくs…おっと、つい本音が……。

｢せんせー？居ますかー？｣

お、この声はAちゃん。
天使が戻ってきたぞ←

『居ますよぉーどうぞぉー』

｢失礼しまーす｣

扉からひょこっと顔を覗かせる彼女。
あー可愛い、天使だ←

『おかえりなさい』

｢ただいまです｣

Aちゃん曰く、ここは家よりも居心地が良いらしい。
嬉しいけど少し心配にもなる。

『普通のお茶でいい？』

｢あ、はいっ、ありがとうございます｣

入学直後から色々話してるけど
Aちゃんの家庭の話は1度も聞いたことがない。
正確に言えば誤魔化して教えてくれない、という所。
まぁ家庭問題は俺がどうこうできる訳じゃないけど。
まぁ、気になる。

『……今日の授業はどうだった？』

｢うーん、物理がちょっと難しかったですかね？｣

『あー、確かに今の範囲は難しいかもね、
２年生が1番難しかった気がする。』

こういう話、家族としないのかな？
Aちゃんと話してる感じだと
あんまり家族と仲は良くないみたいだけど。

『ところでAちゃん、
この間の書類、御家族に渡してくれた？』

｢あ……はい。提出、もう少し待ってもらえますか？｣

『ん、分かった』

家族っていうワードが出た瞬間、表情が曇った。
俺は無意識のうちに彼女の頭を撫でていた。
今日は少しいつもと違うことになりそうだ。