保健室のモトキ先生

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談笑したり、絵を描いたり。
そんな朝の楽しい時間もあと僅か。
もうすぐHRが始まる。

『Aちゃん、そろそろチャイム鳴るよ』

｢え、あ…もうそんなに時間経ったんですね……｣

毎朝の事なのにチャイムが近付くと
寂しげに眉を下げるA。
その表情はいつもモトキの心を締め付ける。

『喋ってるとあっという間だよね。
……今日も放課後来る？』

｢はい。６限終わったら来ますね｣

『分かった。待ってるね』

優しく微笑んでAの手を取る。
そしてポケットから取り出した飴を
1つ、掌に置いた。

『今日は苺ミルク味だよ』

モトキのデスクの上のお菓子BOX。
その中にはいつも飴やらグミやらが入っている。
毎朝その箱から飴を1つ選んでAに渡している。

｢今日もありがとうございます｣

いってきます、と嬉しそうに言って
彼女は保健室のドアを開ける。

『いってらっしゃい。』

その言葉に手を振って答える彼女が
モトキは堪らなく愛しい。

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