Karte17 ページ24
我が家に一歩、また一歩と進んでいく。
歩くごとに震える手。
怖くなんてないはずなのに。
『A、無理しなくてもいいんだよ?』
「いいんです。
このままこの家で生活するのと、先生と逃げること、
どっちがいいかなんて分かりきってるから。」
覚悟はもう出来てる。
『本当にそれでいいんだね?』
「はい。」
『…分かった。話がついたら今日のうちに荷物纏めて出ておいで。
ちゃんと迎えに来るから。』
そう言って短く強く抱き締めてくれた。
これでもう後には引けない。
✄------------------ キ リ ト リ ------------------✄
「お父さん、話があります。」
父「……なんだ。」
「この家を、出ていかせてください。」
父「…理由は。」
「もう、誰とも比べられたくないんです。
私は私の好きな事を思いっきりやりたいんです。
この家じゃ、それは叶わない気がするので。」
父「解った。そんなにこの家が嫌なら好きにすればいい。
ただ俺達が追い出す訳じゃない。部屋は残しておくからな」
驚いた。
てっきりもう二度と戻ってくるなって言われるものだと思ってた。
直接的な言い方はしていないが、父の優しさを感じる言葉だった。
「っ……今までお世話になりました」
母が帰ってくる前に支度した方がいい、と言われ
急いで階段を駆け上がる。
ドアノブに手をかけた所で兄様に会った。
兄「そんな急いでると怪我するぞ。」
「でも、お母さんが帰ってくるまでに出ていかないと」
兄「じゃあ大事な物だけとりあえず持ってけば?
住む所決まったら小分けにして送ってやるから」
「本当?ありがとう兄様」
兄「いつでも帰ってこいよ」
「うん、気が向いたらね」
兄「元気でな」
比べられてたとはいえ兄様のことは好きだ。
だから後の事は兄様に任せて
軽い荷物だけ纏め足早に家を出た。
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みちくさ(プロフ) - 更新嬉しい (2019年1月7日 14時) (レス) id: 0092df8a79 (このIDを非表示/違反報告)
誰かさん - とっても面白いです!更新頑張ってください! (2018年9月25日 20時) (レス) id: 8e8bb61906 (このIDを非表示/違反報告)
とびじゃす#(プロフ) - きなこもちさん» 存ず!モトキイケメン! (2018年9月19日 18時) (レス) id: 7955539d5f (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち - ヒャードキドキする(>_<)カッコイイ〜 ←カタカナ多! (2018年9月19日 18時) (レス) id: 717b23c46c (このIDを非表示/違反報告)
とびじゃす#(プロフ) - 流莉彩さん» うぉ、いーなー。 (2018年9月16日 17時) (レス) id: 7955539d5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:來琉 | 作成日時:2018年2月17日 21時