保健室のモトキ先生

Karte12 ページ16

Masai side

病院で話した女の子はAちゃんと言った。
彼女に会ったのはほんの数十分前。
近所の公園でシルクと筋トレをしている最中だった。



シルク「なぁマサイ、あれ人かな？」

マサイ「何その質問」

ほら、と指し示す先に小さな影が見える。
目を凝らして見れば人だと確証する。

シルク「人でいいんだよな」

マサイ「おう」

お互いを見るまでもなく走り出した。
人影に近付くとシルクが一言。

シルク「宇尾高だよなこの子」

マサイ「マジ？モトキんとこの生徒か」

シルク「病院？学校？モトキ？」

接続詞の一切ない言葉。
それでも言いたいことは分かる。

マサイ「病院だろ、何かあったら大変だから」

シルク「ん、急ぐわ」

シルクが彼女を抱き上げ走る。
俺は近くの病院を探してシルクに指示をする。

結局、病院に着いた頃には2人ともヘトヘトだった。
兄妹だと思われたのか彼女が休養する部屋に通された。
目を覚ますまでにそれ程時間はかからなかった。

シルク「お、目ェ覚めたか？」

俺らには多少怯えてたけどモトキの名前で何かを思い出したのか
Fischer'sという単語が出てきた。

シルク「そそ、モトキのお友達」

怯えた顔は晴れた。
でもモトキが来る、と言ったら今度は表情が曇った。
話を聞けばモトキと色々あったらしい。

俺らから一言だけ提案をして、
モトキが来る前に病院を後にした。




マサイ「お互い、素直じゃねぇのなｗ」

シルク「類は友を呼ぶ、ってかｗｗｗ」

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