Karte18 ページ26
Motoki side
Aが家に帰ってから俺は近くの公園で暇を潰すことにした。
ファストフード店やらに入ろうかとも考えたけど
何しろ不安でいっぱいで食欲なんてものは消え去っていた。
少し塗装の剥げたピンクのベンチに座り
両手でスマホを握りしめる。
真っ暗な画面を見つめ彼女からの着信を待つ。
スマホが震えたのは公園に着いてから30分ほどだった。
電話では家を出た。や、今から行く。と簡潔な会話しかしなかった。
走るか走らないかくらいのスピードで向かっていると
そこそこ大きい鞄を持った彼女が待っていた。
『おかえり。その表情からすると揉めはしなかったみたいだね?』
「はい。母が帰る前だったので父と話してきました。
母へは父から話してくれるそうなので。」
『そっか。良かった。
それにしても荷物少なくない?』
「兄様が必要な物だけ持っていけって。
住む所が決まったら送ってくれるそうで。」
『そういうことか。なるほどね。じゃあ、帰ろうか。』
「帰る?」
『そう。俺の家に帰るの。
あー、俺
彼女の右手から荷物を取り左肩に掛ける。
空いた彼女の右手には、荷物の代わりに俺の左手を。
自分で持つと言い張る声も聞かずに俺たちは帰路を進む。
「……先生、ありがとう…ございます。」
小さな声で呟かれた言葉の後
繋いでいた手に力が込められた。
少し頬を紅くして俺を見上げる。可愛い。
『俺はAを守りたいだけだよ』
小さな額に一瞬だけ口付けをした。
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みちくさ(プロフ) - 更新嬉しい (2019年1月7日 14時) (レス) id: 0092df8a79 (このIDを非表示/違反報告)
誰かさん - とっても面白いです!更新頑張ってください! (2018年9月25日 20時) (レス) id: 8e8bb61906 (このIDを非表示/違反報告)
とびじゃす#(プロフ) - きなこもちさん» 存ず!モトキイケメン! (2018年9月19日 18時) (レス) id: 7955539d5f (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち - ヒャードキドキする(>_<)カッコイイ〜 ←カタカナ多! (2018年9月19日 18時) (レス) id: 717b23c46c (このIDを非表示/違反報告)
とびじゃす#(プロフ) - 流莉彩さん» うぉ、いーなー。 (2018年9月16日 17時) (レス) id: 7955539d5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:來琉 | 作成日時:2018年2月17日 21時