【ツイステ】頬をつねってみたけれど。 (ページ1)

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(第1話) 此処はどこ？私は… ページ1

───────ドスッ

いたたたた……お尻が痛い、尻餅をついてしまった。

……は？尻餅？立ちくらみでも起こしたのだろうか？
取り敢えず顔の泡を落と……あれ、蛇口どこだ？ここに…前にあるはず……

「そこの…お嬢さん？君は一体誰なんだ？」

『えっ？』

柔らかくキラキラした風が私の顔を被うと、次第に泡が溶けていった。……否、消えていった、の方が正しいのか？
ところで、私の目の前にいるのは？
さっき男の子の声が私を呼んでいた気がする。
恐る恐る目を開けてみると、そこは全く知らない景色。

『……はぇ？』

思わず気の抜けた声が漏れる。

「何故鏡から女性が？此処は男子校のはずでしょう、……貴女、誰なんです？」

今度は少し落ち着いた声が。
声のした方を向いてみると、その男がこちらに…ペン？を向けていた。
大きな宝石がついている。

「え？あの…私、私はAです。が、ここは…」

「おかしいですね……誤作動でも起こしてしまったのでしょうか…？否々そんなことはあり得ない……」

派手な帽子に派手なマント、顔には仮面を被った男。
周りに比べて大人っぽい人が頭を抱えている。
そして私の話は全く聞いていない様子。
頭を抱えたいのは私の方である。

「わッ！？」

「今度は何です！」

「学園長ォ！火を吹く猫がァ！」

学園長……ということは、ここは学校？
ん？というか火を吹く猫って？

「オレ様は猫じゃないんだゾ！」

「猫みたいな狸があッ！！」

「狸でもないんだゾ！オレ様は魔法使いなんだゾ！！」

ワイワイガヤガヤ、効果音だけ聞くととても楽しそうで…大きなパーティー何かを連想するが、実際はそんなもんじゃない。
みんなパンダみたいな目をして、フードを被って、……何かまずい宗教に来てしまったのか？
いやいや、でも何で突然？
あ、そうか…！

「ローズハート君！そちらの猫をどうにかしてくだ

『……あ！』

私が声をあげると、近くにいた人達が一斉に此方を向いた。ついでにペンも向けた。

『成る程、夢か！顔を洗っている最中に居眠りしちゃったんだ、学校いかなきゃなのに』

「何を言っているんだ……？」

先程も私に名前を聞いてきた眼鏡の男。
この人が"ローズハート君"だと思ったんだけど、違ったみたい。
兎に角夢から覚めなきゃ、今日は友達と一緒に登校する約束をしてたんだから。

＿＿＿ぐぐ…

『い、いたたたた！』

夢から覚める時の定番。
右手で頬をつねってみたんだけど、

……あれ？痛い…だけ？！