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ヒチョルさんも、お父さん、も帰ってきて、とりあえずご飯にしよう、と僕も座らされた。
目の前に置かれるのはホクホクと湯気を上げるご飯たち。生唾を呑み込む。
『テミン、遠慮しないで食えよ、お前が今必要なのは食うことだからな。』
こくん、と頷いた僕の頭を撫でて、これも食えー、あれも食えー、と僕のお皿の上はヒチョルさんのせいでてんこ盛りになった。
『テミン君、お話してくれる？』
お父さんの柔らかい笑顔に、勇気を出して頷いた。
『僕は、父さんと母さんに、暴力を振るわれていた。』
タバコの痕、殴られた痕、いっぱいあること。恥ずかしくて、長そでしか着れないこと、ご飯なんて、ほとんど出てこなかったこと。
話せることは、全部話したつもり。そしたらヒチョルさんは、よく頑張ったな、って褒めてくれた。褒めてもらったことなんてなかった。
『テミン君、君はもううちの子になりなさい。いや、なってほしい。』
『そうよ、一緒にここで暮らしましょ？』
『でも、』
『双子だよ？私たち。』
お父さん、お母さんそしてダメ押しに妹の言葉。僕は、頷くしかなかった。
僕は初めて、家族を手に入れた。
『え？引っ越した？』
『えぇ。急に引き上げていかれましたよ。』
思わず、横にいたヒチョルさんと顔を見合わせた。
お父さんに前の家から必要なものを持ち出して来なさい、と言われ、ヒチョルさんの運転で前の家に来たらこうなった。
大家さんに見せられた家の中は、本当にすっからかんだった。
僕の家族だった人たちは、蒸発した。
『ここだ。』
妙な倉庫に訳も分からぬまま連れてこられて、動きの悪い扉の向こうへと足を進める。
『お、これが噂の。』
『口が悪いぞヨンウナ。』
ごめんヒョン、と体格のいいお兄さんが笑う。仲間なんだよ、こいつらみんな。そうにやりとしながら言ったヒョンは、かっこよく見えた。
『お前のヒョン達でもあるんだからな。』
『・・・え？』
『Aもそうやって、こいつらに育てられてきた。』
倉庫の中、好き勝手に遊んで楽しそうにしているお兄さんたちをうっすら笑って教えてくれたヒチョルさん。
『お前が足りないと思ってるもの、全部こいつらに補ってもらえ。こんなにいるんだ、みんないろーんなものを持ってる。』
また明日も来ような、病院行くぞ。
そう言って僕を連れて歩くヒチョルさん。振り返った時に見えたお兄さんたちの顔は、キラキラしてた。
少年みたいに。
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@KI(プロフ) - こなつさん» コメントありがとうございます^ ^ 私だったら発狂ですね・・・笑 ヒ様お兄ちゃんだと、簡単には彼氏は作れなさそうですね笑 これからもよろしくお願いします。 (2015年5月27日 21時) (
レス) id: 312749a64a (このIDを非表示/違反報告)
こなつ(プロフ) - 初めましてm(__)m豪華過ぎる人達に囲まれて主人公ちゃんはホントに幸せ者ですね！ヒ様が兄とか…憧れます(^O^)続編待ってます!! (2015年5月26日 23時) (携帯から) (レス) id: 7e8c6396b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：@KI | 作成日時：2015年3月31日 22時
