キミの見てる景色 (ページ2)

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渡「……くま、おーい、さくまあ？」

佐「ん～…。んん！？どこここ！？」

深「どこって、教室だよ笑」

佐「教室…？え、いつの間に」

体育館で始業式して、誰かの話いっぱい聞いて、そっからずっと頭から離れなくて……ん、頭から離れない？

佐「あ！！」

渡「っ！なんだよ。ビックリするじゃん」

佐「あの人、あれ名前なんだっけ」

深「あの人？」

佐「さっきさ、前で挨拶してた人、えーっと～」

渡「ああ、あの新入生代表？あいつだろ」

翔太があいつ、と指を指した先にさっきの男の子が居た
まだ先生は来てないし、予鈴も鳴ってないのに席に座って本を読んでる
いかにも賢そう

深「佐久間とは全く違う部類の人っぽいけど…？」

佐「失礼な！！佐久間さんだってこの高校に……」

渡「ギリギリだろ」

佐「うっ、それは言わない約束…」

深「はははっ。それより、あいつがどうしたの？」

どうしたの、そう言われると分からないけど
なんか頭から離れない、さっきの挨拶の時からずっと

キーンコーンカーンコーン

「ほら、お前ら席につけー」

渡「あ、やべ。俺向こうだ、じゃーな」

深「おう」

初日ということもあって、まだ席順は名簿
翔太は渡辺だからだいぶ後ろの方
俺とふっかは、名簿は近くないけど縦に順に並ぶと偶然にも隣の席だった

「______とまあ、そんな感じかな。じゃあ今日はこれで終わり、気をつけて帰れよー」

ぼーっとしてたら先生の話が終わった
どうやら今日は始業式と先生の挨拶だけで解散らしい

渡「ん、じゃあまた明日」

翔太は後ろの番号の人達と早速喋ったらしい
また明日とまで言う仲になるなんて、あいつすげーな。

深「翔太友達出来んの早くね？」

佐「それな、」

渡「おーい、佐久間とふっかー、帰ろーぜ」

深「おー、今行くー」

適当に返事して翔太の方に行こうと思ったら
目の前になにかが落ちた

佐「っと、危ね。なにこれ栞？」

「あ、」

佐「ん？あ、これ君の！？ごめん踏みそうになっちゃった！！」

「いや、その全然大丈夫です…。あの、拾ってくれてありがとう、ございました」

佐「う、うん」

その栞の持ち主はあの子だった。
朝からずっと俺の頭を支配してるあの子
あ、名前聞くの忘れてた

渡「おい佐久間ー？おいてくぞ」

佐「あ！ごめん今行く！」

まあ、また明日もあるしな