SMILE～噂の3兄弟～ (ページ7)

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言葉の力ページ7

紫耀「なにこれ？」

リビングに置かれた1枚の紙には

「授業参観」

の文字。

どうやら次の土曜日に海人の学校で授業参観があるらしい。

廉「授業参観って言ってもうちは誰も行けへんやろ？」

両親は今は海外にいる。

ここに来てこの両親は海外でのんびり暮らしたいと言い出したのだ。

定期的に帰ってきてくれるらしいがわざわざ参観の為に呼び出す訳には行かなかった。

海人「恥ずかしいし…大丈夫だよ？」

紫耀「いや！」

そう言う海人に食い気味に入ってきた紫耀。

何か嫌な予感がする。

廉「紫耀、まさか…」

紫耀「うん、俺が行く。」

海人「え！紫耀が！」

紫耀の言葉にため息をつく廉と

目をキラキラさせる海人。

海人にとっては嬉しい事のようだ。

見た目は不良とはいえ海人にとっては頼りになる自慢のお兄ちゃんである。

そしてそのキラキラした目が今度は廉に向いた。

それにいち早く気付いた廉。

廉「ごめんな、海人。俺部活があんねん。」

海人「そっかぁ…」

紫耀「いや、廉は大丈夫。」

廉「いやいや、紫耀やから心配やねん。」

紫耀「へ？」

廉「その格好。絶対やめてや。」

廉は紫耀がその格好で行くのでは無いかと心配をしているのだ。

この場合紫耀を心配しているのではなく

紫耀がこの格好で行く事によって海人の印象が下がってしまうことを心配しているのだ。

廉「海人だってかっこいい紫耀がいいよなぁ？」

海人「うんっ！かっこいい紫耀がいい！」

紫耀「え…俺…明日髪染めてくるわ…。」

紫耀は海人の一言でイメチェンすることを決意した。

たった一言で紫耀を変えてしまう海人は恐ろしい。

言葉の力は凄い。

でもこれは海人の言葉の力が凄いと言った方が正しいのかもしれない。