Episode20 甘くないもの ページ13
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ほんのわずかな日常のゆがみをまだきちんと理解しきれていなかったとある日。
午後一番に翔さんがお店にやってきた。
会うのが少し久しぶりで何となく緊張する。
思わず他に誰も見てないかな？と店内を見渡してしまったけれどどうか翔さんにはばれていませんように。
「久しぶり、会えてなくてごめんな」
「いいんです。お仕事お忙しいのも分かってますし」
応えながらいつもの百合の花束を用意する。
今日はどんなお客さんの手にこれが渡るんだろうか。
「誕生日ばかりは無理だった。オーナーに泣かれたよ、売り上げがってさ」
「あはは、なんだかわかる気もしますけど」
翔さんのことだからきっと一日ですごい売り上げになるんだろうな。
「でも誕生日くらいはお前と一緒にいたかったな…」
「……それはその…私も同じ…ですけど……」
「そう？」
恐る恐る伝えた私に翔さんがふいに身をかがめた。
「翔さ、」
「ちょっとくらいいいだろ」
「！？」
鼓膜を低い声が揺らしたと思ったら唇を何かがかすめていった。
あまりにも唐突な出来事に私の頭は理解が追い付かない。
あれ？いま翔さん……。
「っ！」
「ふは、真っ赤」
翔さんにキスをされたのだとようやく気が付いて顔に熱が上る。
私を見下ろす翔さんが満足そうにそのふっくらした唇で弧を描く。
「ひ、酷いですよ翔さん！」
「なんで」
「突然はなしです！」
「じゃあ突然じゃなきゃいいわけ？」
「え……」
つい言葉を止めたのもつかの間目の前まで翔さんの綺麗な顔が迫ってきた。
大きな目が射貫くように私の目を見る。
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iCHiKA(プロフ) - shiさん» 一気読みとはありがとうございます！ドキドキしていただけたとのこととても嬉しいです。更新がゆっくりではありますが引き続きお楽しみいただけるよう頑張らせていただきますね。 (2020年5月19日 20時) (
レス) id: ca4476f6fd (このIDを非表示/違反報告)
shi(プロフ) - はじめまして。一気に読むほど話に入り込み集中しました！！紳士的な翔さんから裏の顔まで…ドキドキして楽しみました！また次回の更新楽しみしています！ (2020年5月18日 20時) (レス) id: 36d011e7a3 (このIDを非表示/違反報告)
iCHiKA(プロフ) - あまさん» ご心配いただきありがとうございます(^ ^) だいぶ更新を滞らせてしまいましたがおかげさまで体調はずいぶん落ち着きました。優しいお言葉をありがとうございます。更新はゆっくりになるかもしれませんが、お付き合いいただけたら嬉しく思います。 (2020年5月18日 20時) (レス) id: ca4476f6fd (このIDを非表示/違反報告)
あま - 落ち着いたんですね!! 本当に良かったです!! これからも、iCHiKAさんのペースでいいので、待ってます!! どうか、無理されないように頑張ってください!!! (2020年5月17日 23時) (レス) id: 621034dbe1 (このIDを非表示/違反報告)
iCHiKA(プロフ) - ともさん» なるほど、その手もありましたね！ですが今回のはただの電話の描写なので複雑なものではないのです(^◇^;) 一応、迷惑をかけている現状においてヒロインちゃんの自信のなさを「聞き間違いじゃないかな？」という描写で表現する際の描写アイテムのひとつです。 (2020年4月22日 22時) (レス) id: ca4476f6fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：iCHiKA
| 作成日時：2020年4月7日 13時
