Episode8 繁華街の百合 ページ8
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ブーとスマホが震えたのに気が付いてカフェラテを準備する雅紀くんからスマホへと視線を移す。
『では十二時三十五分に駅で』
簡潔な文字のすぐ上には登録された「櫻井翔」という文字が並んでいる。
つい頬を緩めながら返事をするために通知をタップした。
「なに、なんかいいことでもあったの」
目ざとく見つけた雅紀くんが笑顔で私を見下ろす。
「少しね」
「そっか…よかったね」
中身まで聞かずににこりと笑ってそう言うと、雅紀くんはくるりと反転してコーヒーをカップへと注ぐ。
そんなにわかりやすいのかな私。
ゆるむ顔を引き締めながら、スマホを握って指を動かす。
『よろしくお願いします』
一言そう返すと、すぐにまたスマホが震えた。
通知画面に浮かぶ文字を目で追って、結局唇が緩む。
『楽しみにしてます』
絵文字や顔文字があるわけでもない。
だけどそんな簡素な一言の奥に櫻井さんの笑顔が思い浮かんで、なんとなく気恥ずかしくなってスマホを握る手に力がこもる。
うっかり電源ボタンを押し込んで一度暗くなってしまった画面をもう一度立ち上げて、消えた通知を追うように慌ててロックを外してチャットアプリを開く。
対して数が登録されていない私の友人一覧の中でひときわ目を引く名前。
個人チャットをタップしてまた目に入った言葉に口角を挙げながら私は文字を打ち込む。
『こちらこそ、楽しみにしてます』
送信を押す前に一旦ためらう。
これ、送っても大丈夫かな。
「はいA、カフェラテ」
「！」
上から聞こえた雅紀くんの声に勢い余って送信ボタンを押してしまって、気が付いた時にはチャット画面に私の言葉が浮かんでいた。
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iCHiKA(プロフ) - ゆきさん» コメントありがとうございます。初めから読んでいただいているとのこととても光栄です。これ伝わるかなぁと思いながら書いてたシーンなんですが、そう言っていただけてよかったです！引き続きお楽しみいただけるよう頑張りますのでお付き合いの方よろしくお願いします。 (2020年2月5日 20時) (
レス) id: ca4476f6fd (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 初めてコメントさせてもらいます。立ち上げ当初から読ませて頂いてたんですが、今回のシーン、ゾクゾクしました！素敵です。このお話がとても好きなので、更新楽しみにしてますね。 (2020年2月4日 20時) (レス) id: c24168ecda (このIDを非表示/違反報告)
iCHiKA(プロフ) - あまさん» 続編にもお越しいただきありがとうございます！引き続きお付き合い願えれば嬉しいです。 (2019年12月29日 21時) (レス) id: ca4476f6fd (このIDを非表示/違反報告)
あま - 移行お疲れ様です!!!これからも楽しみにしてます!頑張ってください!!! (2019年12月29日 0時) (レス) id: 5287825b4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：iCHiKA
| 作成日時：2019年12月27日 15時
