Episode7 -7 ページ7
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嫌いなもの薔薇の花、苦手なもの男性。
そんな私が普通に接することのできる男性は二人しかいなかった。
だけど今は違う。
一人増えて、それは三人になった。
そして、もう二度と恋などするものかとあの日に建てた誓いは、音を立ててその鎖を緩め始めている。
まだ、わからない。
私はこの人のなににそんなに惹かれ、気になっているのか。
ただこれを、運命だとでも思うことは、今の私にはできそうにない。
ただいまは、もう一歩貴方へと近づくことを許してほしい。
一歩しか踏み出せない私を、許してほしい。
「櫻井さん、そういえばお店はどうしたんですか？」
「あー……実は、今日も貴女の所へ押しかけようかと思って潤にまかせて早退してきました。まぁ、実際に貴女の所へは行くかどうしようか迷ってたとこなんですけど」
「…迷ったら、今度から来てくださっていいですよ」
「………ありがとうございます」
横に並んで歩くのはイルミネーションに彩られた並木道。
カップルたちが行きかう場所で少しの距離を開けて横に並んだ私たちはもしかするとこの場に不釣り合いかもしれない。
「よかったらコーヒーでも飲みますか」
「いいですね。今度こそ私がおごります」
「それだけは譲れません。俺が払います」
少しだけ空いた距離のまま笑いあう。
今はまだ、このくらいが私たちにはちょうどいい。
何でもない私たちはただ横に並んで、昨日と同じカフェのガラス扉をくぐった。
その日が来るまで、あと少し。
今はまだ、なんでもなかった私と王子様の夜。
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iCHiKA(プロフ) - ゆきさん» コメントありがとうございます。初めから読んでいただいているとのこととても光栄です。これ伝わるかなぁと思いながら書いてたシーンなんですが、そう言っていただけてよかったです！引き続きお楽しみいただけるよう頑張りますのでお付き合いの方よろしくお願いします。 (2020年2月5日 20時) (
レス) id: ca4476f6fd (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 初めてコメントさせてもらいます。立ち上げ当初から読ませて頂いてたんですが、今回のシーン、ゾクゾクしました！素敵です。このお話がとても好きなので、更新楽しみにしてますね。 (2020年2月4日 20時) (レス) id: c24168ecda (このIDを非表示/違反報告)
iCHiKA(プロフ) - あまさん» 続編にもお越しいただきありがとうございます！引き続きお付き合い願えれば嬉しいです。 (2019年12月29日 21時) (レス) id: ca4476f6fd (このIDを非表示/違反報告)
あま - 移行お疲れ様です!!!これからも楽しみにしてます!頑張ってください!!! (2019年12月29日 0時) (レス) id: 5287825b4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：iCHiKA
| 作成日時：2019年12月27日 15時
