からぴちは奇病です。【カラフルピーチ】 (ページ5)

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《黄色の彼と眼帯》ページ5

今日も眼帯をつけて生活をする……俺！

「『魔力が暴走しないように着けてまーす！』」

と言っているが。

眼帯を着けている理由。それは俺が“ 多眼孔病”を患っているから。

医者からは眼球に視力が2つ出来るから、眼帯をつけてないと進行すると言われた。

……正直言って、意味が分からん。

何やねん、眼球に視力が2つ出来るってwww

……なんて笑ってる俺だけど、本当は怖いねん。

病状が悪化すると、視力が完全に無くなるって言われた。

もし、もし病状が悪化して、目が見えなくなったら……

『いつもみたいに笑えなくなる』

『みんなの笑顔を見れなくなる』

そう考えると、本当に怖いんだ。

だから、こうしてわざとでも明るい気分でいないと、自分が自分じゃ無くなっちゃいそうで、怖いんだ。

「ﾋｸｯ、ﾋｸｯ……俺、どうしたら、良いの……？」

俺はきょうも1人、部屋の中で泣く───────。

＊

ゆあん「……つん！たっつん！起きて！もう夕飯だよ！」

「ん……？あ……ゆあんくん……」

どうやら夕方まで泣き疲れて寝てしまったらしい。

あかんあかん……早よ顔洗わへんと、みんなに泣いていたことがバレる……。

「ちょっと待っててー！今顔洗ってから行くからーーーー！！」

出来るだけ元気な声で言う。

洗面所に行き、冷たい水で顔を洗った後、忘れずに眼帯も着ける。

「ﾆｰ、よし！笑顔良し！声良し！」

俺はちゃんと、みんなの前では笑顔を絶やさないようにしないといけない。

「今行くでー！」

───────それが、俺がみんなを幸せに出来る、唯一の方法だから。