14話 試験 ページ16
「試験？」
「イナズマジャパンの『脱退試験』だ」
「ええっ！脱退試験！？」
「この試験をパスした者は、イナズマジャパンから抜ける事を許す。勿論、入団時に約束した契約は果たそう。詳しいルールは後ほど説明する。時間までにシーサイドスタジアム前に集合するように。以上だ」
…どういうことだ？
シーサイドスタジアム前
「全員集まってようだな。それでは試験のルールを説明する」
「脱退試験の内容は『PK戦』よ」
「いやお前が説明するんじゃないんかい！」
監督が説明するのかと思いきや突然の水川。
「シュートは5本。全てを『外せば』試験をパスしたものとみなす…」
「は、外せばって…」
「え、それっt」
「シュートを『決めれば』の間違いじゃないのか？」
「説明の通りよ」
メンバーがざわついている。全員受けるのか？これ
「この試験をもしクリアできなかった場合、イナズマジャパンとしての本格的特訓を受け入れてもらう。勿論、やめるつもりのない者が試験を受ける必要はない。各自、自分の考えで行動するように。では参加するかどうかを決めたらスタジアムへ入ってこい。以上だ」
「み、みんな！ちょっと待って！監督には何か考えがあるんだよ。だから試験を受けるなんて」
「これはチームにとっていい機会だな」
「神童さん！」
「君達9人がここに来た目的はサッカーではない。そんなメンバーはイナズマジャパンにはいらない。遠慮なく試験を受け、ここを去ってくれ」
「そんな…」
「そいつの言う通りだ」
「鉄角…！」
「俺は試験を受けるぜ。パスすりゃ今すぐ船が買える。俺にとっては夢みたいな話だ。あんたの言う通り、俺はサッカー…いや、スポーツなんかに興味はない。俺がいない方が、あんたも嬉しいだろ？」
「船…ね。キミがイナズマジャパンなに入ったのは、嵐で船を失った父親に漁船を買ってやるためだって聞いたよ。ボクの推理では、キミの父親はキミがサッカーをしてまで漁船を買うのを望んでいない。違うかな？」
鉄角が動揺している。
「やっぱりね。望まれてもいないことをして、自分を慰めようってこと？」
「鉄角…せっかく代表に選ばれたんだ。一緒に世界一を目指そうよ。韓国戦だって勝てたじゃないか」
「俺にはお前達と一緒にボール遊びしてるヒマなんてない！」
「俺の代わりはいくらでもいるんだろう？そいつらと世界でも何でも目指せばいい」
「鉄角…」
…どうも口出ししにくい空気だなぁ
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作者名：名無 | 作成日時：2020年1月30日 21時
