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「竜太くん。」
竜「はい？」
チラリと周りを見れば美雪と金田一くんが何か言い争いをしているだけで、ほとんどの生徒はこちらを見ていない。
「だいすきだよ。」
竜「っえ…」
優しく頬に口付ければ白い頬はどんどん色づいていく。
竜「せんぱ、え？ここ学校…」
「じゃあ放課後ね！真面目に授業受けない悪い子は嫌いだよ？」
そう言ってピシャリとドアを閉めれば小窓から覗くボーッとした少し間抜けな顔が見える。
美「あれ、佐木くんは？」
「先輩なのでしっかり注意してまいりました。」
にっこりと笑って返せばそう、と腑に落ちないような顔で言う美雪。
ちゃんと勉強して、私が卒業しても追いかけてきてもらわなくちゃ。
一「なぁ、これうまいから食ってみろって！」
「だからいらないってば…」
未だにさつまいもバターをすすめてくる金田一くんを横目に一冊の本を取り出す。
——— 隠された殺人…
美「またそれ？もう作者様とお知り合いどころか付き合ってんだから"新作書いてー！"ってお願いすればいいのに。」
「いーの！私はこの本が好きでずっと作者…竜太くんに憧れてんの！」
美「それ拗らせてるよ。…この栞もずっと使ってるよね？なんの花？」
「んー？あぁ、別の小説買った時に貰ったんだけどカンパニュラってお花みたい。私と竜太くんにピッタリだと思ってこの小説につかってるの。」
美「え？白い花だから？ピュアな恋、みたいな。」
「えー？それはね…」
花の名前 カンパニュラ
学名 Campanula medium
白のカンパニュラの花言葉
感謝、誠実
———思いを告げる…
金田一少年の事件簿(完)
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作者名：はんぺん | 作成日時：2022年12月30日 10時
