怖がらないで水瀬さん【knmc】 (ページ9)

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すれ違いが8回。ページ9

「それで、逃げられたり逃げたりしてるん？wAら、おもろすぎるやろwww」

話し始めてすぐ、彼女には爆笑されてしまった。そんなに笑わなくてもいいじゃんか…w
なんて苦笑しながら思っていると、しいちゃんはこう続けた。

「でも、Aは人見知りやけど、慣れたらちゃんと話せるタイプやんなぁ？なのにあの剣持とは話せないとか珍しない？なんでなん？」

なんか緊張しちゃうんだよぉ、！

『だって、なんか剣持くんと話してると緊張して上手い返しができないんだもん。剣持くんも気まずそうだし…他力本願なのは自分でもわかってるけど、あの剣持くんなら何か上手く話してくれるって思ってたのに全然話せなくて……私話すの下手だし嫌われちゃったかなぁ、？』

「んなことないと思うけどなぁ…むしろ好かれてんちゃう？w」

絶対ない！剣持くんには私なんかよりお似合いの子がいっぱいいるよ、なんて思いながらも、心の中で否定したとき、なんだか胸の奥が少し痛んだような気がした。

『絶対ないよー…私なんかが剣持くんの隣に立つとか烏滸がましすぎるし……』

「烏滸がましいってだけで嫌ではないんやな？」

『そ、んなことないよ…でも、私なんかじゃダメだよ……』

「ほんっとに謙虚っていうか自信がないっていうか、A可愛いのになんでそんな自信ないん、？」

『私が可愛くないって自分で思ってるのは、事実だからだよ。しいちゃんにもまだ話せてなかったよね、？初めてできた彼氏に、可愛くないって、しつこいって言われて振られちゃったの。』

初めての彼氏に浮気をされた。
それをやめてほしいと言うと、「大して可愛くもねえお前と付き合ってやってたのに俺の行動制限するとかまじ鬱陶しいし冷める。俺は誰と遊ぼうが勝手だろ。しつこいやつは嫌いんだよ、別れよ。」と言われ捨てられてしまった、昔の、苦い記憶。
その時からずっと、自分は可愛くないものだと思っている。捨てられるほどだしね。

なんて話をすると、しいちゃんは少し泣きそうになりながらこう言ってくれた。

「大変やったなぁ…けどあてぃしからすればAは本当に可愛いし、Aは可愛い可愛いあてぃしの友達やで。自信が持てなくても、あてぃしはAのことずーっと可愛いって思ってるで。いつか信じてくれたらええなぁ、」

本当に優しくて温かい言葉をかけてくれる。良い友達を持ったなぁ、となんだか私も泣きそうになりながら感謝を伝えて、門限も迫っていたのでカフェを出た。