怖がらないで水瀬さん【knmc】 (ページ7)

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すれ違いが6回。ページ7

side:knmc

諦めるしかないと思っていた弁当袋が届けてもらえた。

それだけで嬉しいのに、持ってきてくれたのは水瀬さんだった。

逃げるように教室を出てきてしまったのに、優しすぎないか？何かお礼をしたい、と言うと今度は僕が逃げられた。

驚きと悲しみが混ざり合った不思議な気持ちだった。僕が逃げた時、彼女もこんな気持ちだったのだろうか。だとしたら本当に申し訳ないことをした。

お礼以外にお詫びもしないと、なんて考えて落ち込みながら部活に戻ったが、結局集中なんてできるわけがなく、掛かり稽古すらまともにできない始末。顧問に、今日はもう帰れと部室から追い出されてしまった。

集中できていなかったのも切り替えられなかったのも自分だし、仕方がない。明日はしっかり集中しよう、と歩きながら決意する。掛かり稽古の受けをしてくれていた森野に水瀬さん関連だと気づかれていたことだけは納得がいかないが。

お礼という名目もできたことだし、明日こそは話しかけてみようか。頑張れ、明日の僕。

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side:水瀬

剣持くんから逃げたあと、私はそのまま家に帰り、そこからずっと何をするにも落ち込んでいた。

どうしても今日のことを思い出す。

『どうして逃げちゃったかなぁ、』

逃げられたときの困惑と悲しみは私が身をもって知っていたはずなのに。

話してみよう、と決めていたのにうまくいかない。
彼と話そうとすると、いつも焦って何を話そうとしていたのか忘れてしまう。

『やっぱりもう話さない方がいいのかなぁ、？神様がそうさせようとしてるのかも。』

なんてありえないことまで考え始める。

…元々は逃げるつもりなんてなかった。ただ、彼が何かお礼を、と言って目を合わせて少し近づいてきただけで本当に動揺したのだ。なんでなのかももうわからない。

ただ、心臓がキュッとなって息が詰まって、恥ずかしいけれどまるで世界に彼と私しかいないようなそんな気がした。

『どうしていつもあんなに動揺しちゃうんだろ、最近は怖い、とかはあんまり思わないしなぁ…』

考えても答えは出ない。いつかきっとわかるだろう、なんて思いながら眠りについた。

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短くてすみません、明日も更新できるようになんとかがんばります、、、💦