すれ違って、近づいて。 ページ36
最初は睨まれているのかと誤解していた。
でも、全然そんなことはなくて。
急に過ごす人の増えた、放課後の教室。
睨みでもなんでもなくて、ただ私を眺めていた剣持くんが、今思い返すと可愛くて仕方がない。
彼に私を見つめていた意図を聞いたことはあるけれど、なぜかは僕にも分からないけれど自然と私を見ていた、と言うのだから恥ずかしくて死にそうになった。
それでも、私の隣を歩いてくれている彼はやっぱり人気者だから。
また自信をなくして挫けそうになることがあるかもしれないけれど、その時はきっと、彼が、そしてしいちゃんを思う存分頼らせてもらおうと思う。
今度こそ、彼の隣で胸を張って生きていく。
彼と出会って、思い違いや色んなことですれ違って、その度にまた中を深めて…ってなっていたけれど、それもまた今思えばいい思い出で。
過去に戻れるなら、きっと私は過去の私にこう言うだろう。
-Fin-
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作者名:K | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/468/
作成日時:2023年9月14日 0時