怖がらないで水瀬さん【knmc】 (ページ30)

今日:23 hit、昨日:21 hit、合計:19,082 hit

すれ違いが29回。ページ30

『これ、どっちがいいかなぁ……』

剣「両方来てみらたらどうです？」

『そうしようかな、！ちょっと時間かかるかもだけど着替えてみる！でも、待たせちゃうかな…』

剣「大丈夫ですよ、僕、待つのは得意な方ですし。」

『じゃ、じゃあお言葉に甘えて…』

そう話していたのには理由がある。

私たちが買いに来たのは洋服で、剣持くんは最近知り合いの人に服をいっぱい買ってもらったから今は必要ないとのことで、私の服を買うことになったのだけれど、

今日来ているワンピースと似ている紫色の服か、あまり持っていない白い服でとても迷ってしまっているのだ。

早くしないと剣持くんに迷惑かけちゃうし急がなきゃ…と思って試着室に入り、急いで2つに着替えて考えて、白にすることにした。

試着室からでて剣持くんに白にしたことを伝えて、服を買ってお店を出た。

そのあと昼食を取ったり、お互い1人で行動する時間を少しだけとったりして、色々していると、集合の時間になった。
事前に2人で決めていた集合場所に行くと、既に少し大きな紙袋を手に提げた剣持くんがいて。

『ごめん、遅れちゃった…！』

剣「時間通りだし大丈夫。僕は部活で早めに行動するのが習慣になってますから。」

『ありがとう…！』

そう笑顔でお礼を言うと、

剣「その……これ、どうぞ。」

となにやら少し言いにくそうな声で差し出されたのは、彼が手に提げていた紙袋で。中身を確認してみて、思わず驚いてしまった。

『え…？これって……私が迷って買わなかった紫の…』

剣「凄く迷ってたみたいだから、その…あげます。」

『え、でも…！なんだか申し訳ない…』

剣「じゃあ、次遊びに行く時はこれ着てきてください。これを着てるあなたを見てみたいなと僕が思っただけですから。ね？」

『っ…ありがとう…本当に嬉しい！』

剣「どういたしまして。」

本当に嬉しい。大事に着よう……

その後また2人で行動して、夕方になってから家に帰った。

朝の緊張からは想像もできないほどに楽しく、充実した一日だった。

あんなプレゼントももらっちゃったし…本当に幸せすぎる。

そして寝る前、プレゼントを貰った時の剣持くんの発言をよく思い出してあることに気づいてしまってその日はあまり眠れなかった。

「"また"遊んだ時に着てきてください」

「僕がその服を来ているあなたをと思っただけです。」

神様、もしかして彼は、私に少しは好意的な印象を持ってくれているのでしょうか＿＿＿＿