怖がらないで水瀬さん【knmc】 (ページ21)

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すれ違いが20回。ページ21

side：水瀬

『っ、ん…？』

目を開けると真っ白な天井が見える。
そういえば私、倒れて……？って、ここどこ！？

焦って起き上がるとどうやら保健室のようで。

手に暖かなものを感じて目を向けると、ベットの横の椅子に腰掛けながら私の手を握り、うつ伏せになってスヤスヤと眠っている剣持くんがいた。

なんでここに！？！？

倒れた？寝た？ことでスッキリした私の脳内は軽くパニック状態。
でもここで起こすのもなんだか気が引けるし…あ、まつげ長い…寝顔は可愛いんだなぁ……なんて違うことまで考え始めた。

起こす訳にも行かないし、けど起こすのも…なんて考えてから、とりあえず手をそっと離す。すると、

剣「ぅ…ん…、」

私がそっと手を離したことで起こしてしまったのか、彼がゆっくりとした動作で目を開く。
そのまま上体を起こした彼と目が合って、思わず目を伏せる。勝手に気まずく思っていると、

剣「…起きたんですね水瀬さん！目を覚ましてよかった！調子はどうですか？倒れた時はほんとにビックリしたんですよ？無理しないでくださいね。ほんとに……ほんとに心配したんですからね。」

なんて早口で言われてしまい、思わず顔を上げて唖然として彼を見つめる。そんなに心配してくれたんだろうか。ちょっと嬉しい、かも。

…嬉しい……？私、どうしちゃったんだろ。

しかも剣持くん、意図的に私が避けてたこと多分知ってたはずなのに、話してくれるの優しいなぁ…
けどやっぱり、私なんかがほんとに剣持くんと喋ってていいんだろうか、なんて考えが頭をよぎる。また何か言われたりするのは怖いし嫌だなぁ、

なんて考えていて彼に感謝も伝えることが出来ずに沈黙が訪れた時。

カーテンがサッと開かれ、保健室の先生が顔を出す。

「あら、起きてたのね！顔色はずいぶん良くなったようね。ちょっと様子を見るから、剣持くん、少しの間外に出ていてくれるかしら？」

剣「わかりました。終わったら呼んでください。」

そう言って剣持くんが出ていったあと、再び先生私の状態を確かめながら話し始めた。

「あなた、ほぼ半日くらい眠っていたの。ストレスによる寝不足にしても相当よ。相談は、私に話せないこともあると思うから無理矢理聞くつもりはないけれど、ちゃんと相談できる相手に話すこと。1人で溜め込んだらまたこうなってしまうわよ。」

『…はい。』

「あとね、剣持くん、授業の時以外はずっとあなたの様子を見に来ていたのよ。」

『…え？』