怖がらないで水瀬さん【knmc】 (ページ18)

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すれ違いが17回。ページ18

side：knmc

椎「そんなことありえんやろ！wwww」

と他のお客さんの迷惑になりそうなくらいに大笑いされた。失礼な。これでも真剣に悩んでるんだ。

剣「ずっと見つめてるの気づいてるはずなのにこっちを見てはくれないし、しかも今日なんて！また逃げられたんですよ！？僕が性急すぎたのかなぁ…引かれたとかなったらもうさすがの僕でもメンタル持たねぇ……」

もはや敬語で喋る気力もなく、ボソボソとそういうとまたしても爆笑される。何でそんなに楽しそうなんだこいつは…w

椎「そりゃ大変やなww」

剣「これからどーすれば…はぁ……」

椎「めっちゃ落ち込んでるやんけwwwにしても剣持、Aが泣いてた理由知っとるん？」

剣「無理強いはよくないなと思ったし聞かなかったけど…」

椎「あてぃしが言ったってのは秘密な！？剣持のファンの子らがAの悪口言ってて、最近ちょっと気分が落ち気味だったAに刺さったらしいわ。」

剣「僕のファンですか……」

思い返せば、3人ほどで所謂陽キャの僕の過激なファンがいた気がする。おそらくその人達で間違いないだろう。

椎「で、ここからが本題なんやけど。いくら剣持とはいえAのこと傷つけるような子らを止めれられへんのやったらあてぃしは剣持をAの相手としては認めへん。もしAと本当に付き合いたいなら、まずファンとかその辺を自力で諌めてきて欲しいねん。これ以上Aを傷つけるわけには行かへんの。」

彼女にしては珍しい、真剣な表情と声で伝えられたこの言葉からは、水瀬さんへの愛がひしひしと伝わってきた。

そんなの……

剣「そんなの、当たり前じゃないですか。今すぐにでも"注意"しに行きたいくらいですよ。なんとなく可能性として考えてはいましたが、改めて僕のファンが彼女を傷つけていたのなら、本当に許せませんね。明日にでもしっかりと"注意"してきますよ。

僕のファンとやらが彼女を傷つけていたのなら、そんなファンは要らない。きっとあの人だろう、という検討は着いているし、ああいうタイプの人は彼女に嫉妬するだけでなんの行動も出来てはいない。本当に、馬鹿馬鹿しい。あの日、屋上で堪えた怒りがまたフツフツと湧いてくるような気分だ。

椎「…さすがやね。それ聞いて安心したわ。振り向かせられたらしっかり捕まえとくんやで。」

相談というより激励のような感じになったけれど、椎名との話で改めて気持ちが決まった。

いくら嫌われていようと、僕は水瀬さんが好きだ。