怖がらないで水瀬さん【knmc】 (ページ17)

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すれ違いが16回。ページ17

side：knmc

最近、水瀬さんが目を合わせてくれない。

僕…何かしたっけ……いや、たしかにハグをしたにはしたけど、あれは下心とかじゃなくて必要な事だったというか。
いやまあ下心が全くなかったかって聞かれたらそれはまあ…僕も男ですし……

踏むはずだった段階をだいぶ無視してしまったし、なんなら最初のハグは僕が一方的にしたものだし、引かれてしまったのだろうか。

なんて思いながら彼女の方をガン見しているけれど、おそらく彼女は気づいているのにこちらを見てはくれない。
少し前まで、僕の視線に気づいたら、少し恥ずかしそうにしながらこちらを見て、ふんわりと笑みを浮かべながら手を振ったりなんかしてくれていたのに。

その後も彼女がこちらを見てくれることはなく、休み時間もすぐ教室からいなくなってしまうしで悶々としたまま放課後になった。

今日は部活がないし、彼女を捕まえて話を聞こうと思ったけれど、彼女は帰りの挨拶をするや否やすぐに荷物を持って教室を出ていってしまった。
今までなら追いかけてでも捕まえに行ったかもしれないけれど、今日は嫌われてしまったかもしれない、という確信めいたものを感じてしまい、追いかけることすら出来なかった。

僕、もしかして本格的に嫌われた…？

なんて思ってしまい柄にもなく泣きそうになった。

誰かにこの悶々とした気持ちを伝えたくて、椎名に相談に乗ってほしいと連絡をすると、またしてもカフェにいるらしい。

頼るのはなんだか癪な気もするけれど、水瀬さんと仲がいいのは事実だし今回はお願いするか、と思い荷物をまとめてカフェへと向かった。

カフェについて椎名の目の前に座ると、ニマニマしながらこちらを見つめてくる。

剣「なんだよその目は！やめろ！！w」

椎「だって…ねぇ？あてぃしAから詳しい話聞いたからなw剣持もやるやんww」

剣「こっちは真剣に悩んでんだよ！！」

椎「あてぃしAから剣持と顔合わせられない…って相談されたんやけど、ほんまに何したん？気になって仕方ないんやけど！w」

剣「そりゃまあしたといえばまあ、しましたけど…でもあれは必要な事だったんです」

椎「Aはすぐ溜め込むからなぁ…Aを助けてくれたのは感謝してるで。剣持、ありがとぉ。」

正直椎名に感謝されるとは思ってもいなかったが、彼女が椎名に大切に思われているということなのだろう。

剣「どういたしまして。でも俺、水瀬さんに嫌われたかもしれない……」

椎「…は？」