続富豪刑事の護衛(仮) (ページ6)

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SPの二人に案内されるまま、大助とA、大統領は廊下を歩いている。
「何があった。どこへ行く」
「保安上、詳細はお伝え出来ません」
それを聞いた大助は、靴底からSrv-bugを飛ばす。
歩いて来た廊下の突当りに、一際厳重な部屋があった。
赤茶色の髪をしたSPが、星形のようなもので扉を開けた。
「お入りください」
大統領、大助、Aの順に室内に入る。
「リカルド。それが唯一の鍵だ。私の指示がない限り、誰も入れるな」
「わかっています」
SPのリーダーも室内に入ると、リカルドと呼ばれた男は扉を施錠する。
「こちらはパニックルームです。NBC兵器による攻撃にも耐えうる能力を備えています」
「で、何があった」
「先程、当大使館のシェフが、死体で発見されました」
「何だと！？」
椅子に座っていた大統領は、立ち上がる。
「安心ください。現在、日本の警察にも協力を仰ぎ、全力で犯人を追っています」
「死体が発見された場所は」
SPは大助の質問に対し、答えようとしない。
「お伝えしろ」
大統領が命令すると、話し始めた。
「厨房付近の、従業員通路です」
「ヒュスク。映像を出せ」
大助は腕時計を外すと、壁に向けて置く。そして、横についているボタンを押すと、厨房付近の映像が壁に映し出される。
そこには、防弾チョッキを着ている星野らが居た。
『床に付着している血液が少ないな』
『他の場所で殺した後、ここまで移動してきた……』
大助は犯人の足取りを掴むために、事件が起きた時間の映像を確認する。
「あの、もう一度聞きますけど、会場内の警備ってあれが全員でしたか？私は最低でも六人は必要だと提案したのですが」
シェフが移動させられた映像から逆再生し、殺害現場を探している間に、Aはもう一度質問をする。
「移動を申し出た人はいましたか」
四十四番カメラでは犯人がスーツを着ている男だという事しかわからなかった。
「そうだ、思い出した。移動したいと申し出た男がいた」
次の四十三番カメラでは横顔が確認できた。
「こいつがそうだ。応答せよ、リカルド」
SPが内線を使って確認を取ろうとするが、砂嵐のような音がするだけだった。次に、内線を使用しようとする。
「駄目だ。内線も使えません。外の様子を――」
何が起こったのかはわからないが、鍵の基盤から音がした。多分、ショートしたのだろう。基板からは煙も出てきた。
「何！？」