続富豪刑事の護衛(仮) (ページ4)

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お互いの手を重ねてから20分後。ポリアドル大使館が見えた。
対向車線からは警護車両が数台大使館内へ入る。その後ろにはハンヴィーが続いていた。
対向車線の最終車両が入った後、クラクションで合図を送り、リムジンが中に入る。
ハンヴィーの横に停車したリムジンの後部座席が開き、中からAと大助が出てきた。
「あいつら。何で」
「キマってますねー」
「ちょっと惚れちゃうかも……」
「えっ……」

エントランスに入る途中、Aは現対本部のメンバーが噂をしているのが耳に入ってきた。
「あはは……。大助さん、私たち目立ってますね」
「気にするな。余計緊張するぞ」
図星を指されたAは大助にやり返そうとしたが、エントランスの目の前だったため、やめた。
自動ドアをくぐり、ボディーチェックを受けるため腕を広げる。
「その方たちは良い」
エントランスに登場した大統領によって、ボディーチェックが行われることはなかった。
「すまんね。君は神戸家の――」
「神戸大助と申します」
「神戸Aです」
「君の所のポリアドル神戸商事には、ハンヴィーからSPの装備まで随分と世話になっている。まあ、安くはないので、お互い様だがな」
皮肉を混ぜながら話す大統領を見て、Aは少しの怒りを感じた。
「立ち話もなんだし、会場へ行こう」
大統領の後を続いて会場内へ入ると、Aは違和感を覚えた。
「付かぬ事を伺いますが、この会場にはもう一人警護がいるはずでは」
Aは、SPのリーダーだと思われる人に、確認を取る。
「いいえ。五人だけですが」
「そうですか。……ありがとうございます」
違和感の正体は分からないまま、会食が始まった。