続富豪刑事の護衛(仮) (ページ26)

今日:13 hit、昨日:5 hit、合計:17,146 hit

check-7 ページ26

エレベーターに乗っている途中、鈴江から電話がかかって来た。
「もしもし」
『Aさん、今どちらにいらっしゃいますか』
「警視庁」
『ヘリを向かわせました。今すぐ帰ってきてください』
「何が起きた」
『加藤が電話をかけてきた』
「なるほど。わかりました、今すぐ帰ります」
通話を切り、Rと書かれているエレベーターのボタンを押す。
「家に押し寄せるって何だよ」
溜息混じりに呆れたような声を出す。
エレベーターが、目的の階に着いたことを知らせる音声を流し出す。扉が開いた瞬間に走りだし、ヘリコプターに乗る。
『Aさん聞こえますか』
ヘッドホンから鈴江の声が聞こえてくる。
「聞こえてる」
『できるだけ早く家について貰いたいので、速度を上げます。それと、準備しておいてください』
「了解」
座席の下からホルスターを二つ手に取り、腰に巻き付ける。
『速度を上げます』
操縦士からの連絡に二つ返事をして、シートベルトをきつく締めあげる。
風を切る音とエンジン音が大きくなり、加速していることがわかった。

ヘリコプターに乗ってから約三分、神戸邸の庭に着陸した。
操縦士は素早く操縦席を離れると、Aの座っている場所の扉を開けに来た。
Aがヘッドホンを外した時、門扉がある場所から今まで耳にしたことのない音がした。
Aは即座にシートベルトを外し、邸宅へ全速力で走る。
「A」
ロビーには大助が居た。
「さっきの音は何ですか」
「直ぐにわかる」
すると、黒煙を上げている覆面パトカーが玄関へ進んできていた。
「門扉を強行突破してきたんですね」
「そうだ」
「まあ、行きますか」
Aはヘリコプターの中で付けたホルスターから拳銃を抜き取り、弾丸を確認する。