続富豪刑事の護衛(仮) (ページ20)

今日:11 hit、昨日:5 hit、合計:17,144 hit

check-6 ページ20

車のスピーカーから、Srv-bugが拾っている仲本の声が聞こえる。
『……害電波の装置に使われてた、海葡萄なんだが』
『まだそんなことを』
『ポリアドルから不正に輸入してるんだろう。ネタ挙がってるんだ』
『いい加減にしてください。もう我慢できません！』
『アキトシくんだがね。悪い友達と付き合ってるようじゃないか。これが公になったら、あんたもお子さんも不味いよなー』
『あんた、それでも！』
『こんな具合に、三十五年刑事やってんだ。俺が聞きたいのは、水尾フューチャーテクノロジーと神戸家の繋がりなんだがね。立件は見送られたようだが、ネットに流せば、上もほっとく訳にはいかねーだろうぜ』
警視庁に着くと、いつもの場所に車を止める。
大助は、仲本と井村をスマホで映像が観られるようにしてから、エレベーターで最上階まで昇る。
『……わかりました。お話しします。ただ、その前に、上司に電話させてください。……お願いします』
屋上へと続く階段。そこで一連の会話を聞いた大助は、Aにこれから起こすことの全貌を話し始める。
だが、大助が二、三回口を閉めたあと、思わぬ会話が聞こえてきた。
二人で映像を見ていると、加藤が会議室の扉を開け、井村を帰すところだった。
『……弁護士さんがお越しになられました。もうお帰りになられますよ』
『そうですか。それでは、失礼します』
大助の計画に、この行動は含まれていなかったのだろう。
酷く難しい顔をしていた。
「どうしますか」
「井村は必ず何かを知っているはずだ。あの弁護士もな」
「すると……」
「Srv-bugを使い、あの車両を炎上させる」
そう言い、大助はスマホの映像を観る。
そこには、井村が弁護士と共に車に乗っていくの所が映っている。
「井村の車にハッキング。バッテリーを暴走させ、炎上させろ」
「了解いたしました」
ヒュスクが返答すると、Srv-bugが井村の車に近づく。
『バッテリーが。出てください！』
井村の声が聞こえた直後、飛び上がったSrv-bugから観えたのは爆発・炎上した井村の車だ。
屋根が吹き飛び、黒煙が駐車場を覆う。