続富豪刑事の護衛(仮) (ページ18)

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「この女のパソコンを開け」
「パスワードが掛かっています」
「解除して画面を映せ」
プロジェクター内蔵の腕時計を外し、机に置くと、パソコンの画面が映し出される。
「何を……」
「全ファイルをデスクトップ上で開け」
「ファイルを開きます」
「一体！……どうやって！」
井村が焦っている間にも何十、何百とパソコンに入っているデータが姿を現す。
「スピードを千倍に」
部門別予算管理、プロジェクト別の予算管理、設備予算一覧表等と書かれファイルが出現する。
「終了しました」
「今開けなかったファイルのみ、デスクトップに残せ」
どんどん消えていくファイルだが、第三研究所とポリアドル共和国、ADMと書かれたファイルだけはデスクトップに残った。
「ADMのファイルを開け」
「止めなさい！」
井村は今までの中で最も大きい反応を示した。
「パスワードがかかっています」
「解除しろ」
「……あなたには、その権限がありません」
この言葉により、取り調べは破綻した。
「これで取り調べを終わります」
Aはパソコンを閉じ、放心状態の大助を立ち上がらせる。
「弁護士が来るまでは、ここで待機していただきます。では」