続富豪刑事の護衛(仮) (ページ2)

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「昨日、中米ポリアドル共和国のアルバレス大統領が来日しました。その目的は三千億円規模の巨大ダム建設プロジェクトに関するものですが――」
大助とAはソファーに腰掛け、めざめのニュースを見ている。
「十七日ですけど、私はどうすれば良いですか」
大統領を指しながら、大助の右耳の耳元で話す。
「ボディーガードとして、同伴許可を貰っておいた。一緒に行くぞ」
「はい」
すると清水が入室してきた。テレビの方を見ながら、明日捜査一課の応援で行くことになったことを伝える。
「あれについては、私が佐伯さんに伝えておきます」
「助かる」
「部長。私も行きますよ」
仲本が立ち上がり、参加の意を示す。
大助は清水と仲本が話している方を見つめたままだ。
「大助さん。見つめ過ぎると他の人に気付かれますよ」
「すまない」
「できる限りの事はしておきます。旧型なのでできることは限られていますが……」
数日前、いきなりヒュスクが反応しなくなった。その後、修理に出してから何日か経っていた。いつもならば、遅くても三日で帰るはずなのだ。
「まだ直らないのか」
大助は、Aの右耳につけている旧型ヒュスクを触る。
「そうなんですよ。鈴江さん曰く、壊れ方が可笑しいらしく。そのことを喜久子さんに伝えると、専門家に直してもらうと言われたんです」
「そうか」
そう言い、大助は顔を顰める。