今日も今日とて君しか勝たん！【アイドルパロ】

#22 あるわけないない ページ24

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すると、今まで黙って見ていた飛鳥まで
ちょっと苦笑いしながら口を開いた。




｢うん…まぁ前から話聞いててまさかと思ったけど…｣


｢へ？｣


｢ほんとーに愛されてるんだね。羨ましー｣


｢え、ちょ、飛鳥まで何言ってんの？｣


｢でも本人に全くもって響いてないって言う事実よ…｣


｢トップアイドルなのに恋愛は苦手なんだね｣


｢え、ちょ、2人とも？｣


｢そんだけ認知されてんだからもっとアピールしなよ。勿体ないな｣




え、ちょ、ま。

よく分からん。
よく分からんうちに2人だけで話が進んでる。

え、いやついて行かせろ。私の話だよな？


愛されてるってなんだ。
恋愛ってなんだ。


てか恋愛苦手じゃないと思うよ？？？

だってこの前ジャミルくん恋愛ドラマ出てたし！
ルーク様も恋愛映画出てたし！！

ジャミル君に関しては当て馬的ポジだったけど
そこが彼の強みなのよ…！わかるか！？


……待って多分触れるところここじゃないな。


てかアピールしなよってなに？？？
何アピールすんの？？？

2人の言ってることが訳分からなすぎて
私の頭の中はクエスチョンマークだらけ。




｢え、認知って…認める知ると書いた認知？｣


｢それ以外ないでしょ｣


｢え、いや私は認知されてないって。されるようなことしてないし。てかされてたとしても2人が言うような特別扱いされてるなんてことないと思うよ…｣


｢｢そんっなわけないだろうがｯｯｯ！！｣｣




2人の声が見事に重なる。
キレイな二重奏だ。




｢ん？｣


｢どー考えても特別扱い！他のファンと一線を画してる！！｣


｢あれだけ国民的スターになってるのに、チケット当たりまくってるのおかしいなって思わない…？｣


｢え、いやぁそれはただただ強運なだけで…｣


｢強運で腹は膨れないのよ！それと一緒！
いつまでも強運だけで推し？に会いになんて行けないの！私や飛鳥でも分かるわそんなもん！｣


｢んー…？｣




え、全くわかんない。
全然わかんない。

綾乃が｢なんでわかんないの！？｣って驚愕の表情で言ってるけどいやわからん。


だってアイドルってそういうもんでしょ？

私だけ見てる、私だけを好き、私が特別。
そうやって夢を見させてくれるのがアイドルでしょ？


2人は、私の自分贔屓な体験談をよく聞いてくれてるからそう思うだけであって実際は私だって
何万といるファンの1人。

特別扱いなんて、あるわけが、ない。

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