君の隣が似合いたい【黒】 (ページ38)

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『っなんですか、』

無理矢理腕を引っ張られ、

御手洗の奥の個室に連れ込まれる。

持っていた鞄を奪われ、地面に打ち付けられた。

『っなに、』

薄暗い個室で、その人と目が合う。

…前に陰口を叩いているところに遭遇した
3人組のうちの一人。

3人の中でも特に目黒を気に入っていそうな、
背の高い女子だ。

「るっさいから」

『ん、離してください…！』

壁に押し付けられて、身動きが取れない。

遠くの方で笑い声が聞こえるから、もう2人も居るんだろうか。

「ほんっと、目障りなんだよね、笑」

光を感じない目でそう言われる。

だんだん、全身が寒くなってくる。

「目黒くんと帰ってんの知ってるから。
調子乗らないでもらっていい？」

『…』

足に力が入らなくなってきて、つま先が震え出す。

「え、聞いてる？笑」

ジリジリと顔が近づく。

鼻先が付きそうになる。

「あんなに楽しそうに話して歩いてて、放っておくと思う？」

ぐっと肩を掴まれた。

『っやめて、』

「……やめるわけねえじゃん！！」

耳がキーンと痛くなった。

視界が潤んできて、よく見えない。

「はは、なに泣いてんの？
そんなんで許してもらえる訳なくない？？」

"普通に考えりゃ分かるだろ"と、また壁にぶつけられる。

『ったい、』

もう足が役に立たなくなって、しゃがみ込んだ。

「……はあ。
これ以上調子に乗ったら、どうなるか分かってるよね」

上から、そんな言葉が降ってくる。

「…身の程、弁えて」

顔が近づいて、耳元でそう囁かれた。

「じゃ、ばーいばーい」

「ばいばい、メガネさん！笑」

3人が去っていく。

やっと、息ができた。

『…っはあ、はあ、』

落ち着け、自分。

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