君の隣が似合いたい【黒】 (ページ30)

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「よっしゃあ！いけ川田ー！！」

『ファイトー！』

学年対抗リレー、
2年の男子は、現在3位。

あと2人で目黒の番だ。

「かあーわあーたあー！っしゃきた！ナイス！
次山岸！！いけ！いいぞつなげー！！」

接点があるのか分からない人まで大声で応援している、後ろの方の渡辺が面白すぎる。

つられてみんなも声を出して、雰囲気がアツい。

「縮めろー！がんばれー！」

「山岸くんファイトー！！」

「お！1年生抜かせるか！！」

ふと青春を感じ、胸が高鳴る。

もしかしたら、大人になって思い出すのはこういう景色なのかもしれない、なんて。

「よしきた目黒目黒！！全員抜かせ！！お前なら行ける！！！」

みんながひとつになって応援する。

「はっや！！笑」

いつもは俯き気味の子も、今はそんなことない。

テストで毎回1位を取る子も、先生と喧嘩しがちな子も、みんな目黒を応援している。

〈2年生、早いです！1年生を抜きました！！

ぐんぐん1年生との距離を縮め、遂には追い越した。

「すげえぞ目黒！！このままいけ！！」

ゴールまで、あと4メートル。

3年生の深澤先輩まで、あと1メートル。

〈2年生が抜くか！いや！3年生も譲らない！！

これぞ接戦。

深澤先輩と目黒が並び、白熱するアンカー対決。

「「いけー！！！！」」

ゴールまで、あと1メートル。

『…っ、』

＿どっくん。

一瞬だけ、目黒と目があった。

心臓の音がした。

自分の手をぎゅっと握る。

　『＿＿＿＿がんばれ！！！！』

人生で1番大きな声が出た気がした。

〈ゴーーール！！！！

「…え、どっちどっち！？今目黒の方が早くなかった？？」

〈只今の結果！

「こいこいこい！！！」

〈優勝は、2年生！！！

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