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『ごめんね』
「俺もごめん」
『教室戻るの？』
「うん。あ、そういえばAさ、」
偶然鉢合わせた後ろの方の渡辺と、教室へ向かおうとすると、
さっきより盛り上がってる3人組の声が聞こえてきた。
「目黒くん、優しいからあのメガネと喋ってあげてるだけでさ、内心ウザって思ってんじゃね？？笑」
「いや、目黒くんそんな言葉使わないよ。ブスだな、とかじゃね」
「笑笑笑」
その目黒くんの友達に聞こえてますよー。
姿は見えないけど、目黒の前ではキュッと結んでいる口を大きく開けて爆笑しているのが目に浮かぶ。
「…え、A大丈夫、？」
『ん？まあ、日常茶飯事？』
「まじか…」
そっか。
後ろの方の渡辺もサッカー部のイケメン枠だからいい顔されてたのか。
「女子こええ…」
『ね』
あ、私も一応女子か。
あぶねえ。(？)
「いずれバレるっしょ。気にすんな」
『ありがと』
「行こ」
バレたらバレたで3人組も大変だなあと思いながら歩き始める。
それでもまだ声は聞こえていて。
「てか最近メガネさ、髪型変えてね？」
「えっ思った。絶対調子乗ってる」
「そんなんで目黒くん振り向いてくれたらウチらも苦労しねえ」
「まず整形してこいよな」
「じゃあそんで校則違反で追い出されたらいいのに」
「それは天才！笑」
ひでえ。笑
『そのまんま全校集会で発表してほしい。笑』
「…はあ…この声どっから？」
『え？』
「ちょっと俺行ってくる」
後ろの方の渡辺、正義感が強いらしい。
踵を返してさっきの所に戻ろうとしている。
『ねえ辞めて』
「流石に酷すぎじゃん」
『言わせときゃいいの』
「俺ならちょっとぐらい止められるじゃん」
『虐められそうだし辞めて』
「でも…」
『大丈夫』
巻き込んじゃって申し訳ない。
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作者名：MooN | 作成日時：2022年1月31日 20時
