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スッカラカンの車内、なんとなく席に座って向こうの窓から外を眺める。






「Aちゃんは、俺がこの見た目だから友達になってくれたの?」






右隣に座っている目黒が話しかけきた。






『いや別に?普通に面白い人だなあって』




「それと同じだよ」




『ん?』




「Aちゃんがいいから一緒にいるの」




『…そっか』




「ていうか、周りの女子よりAちゃんの方が可愛いよ?」




『そういうのいいから』




「俺本気で言ってるんだけど」




『…はあ、そりゃどーも』






他の女子なら、こう言われて嬉しいんだろうけど、自信が皆無な私はシャッター閉め始めちゃう。

そういう、素直に受け取れない所も良くないんだろうな。






「ね、タピオカって何から出来てるか知ってる?」




『知らん』




「芋から出来てるんだよ」




『へえ』




「なんだっけな、キャ、キャ、キャ…」




『ええ、問題出したのに忘れたの。笑』




「なんだっけな、あ、思い出した。キャッサバ!」




『キャッサバ?凄い名前だね』




「キャッサバ」




『言いたいだけじゃん』




「Aちゃんも言って。キャッサバ」




『…キャッサバ』




「何回も言うと覚えるんだよ。キャッサバ」




『もう言わないよ?』




「覚えなくていいの?」




『もっと覚える事あるでしょ』




「例えば」




『今日習った数式とか』




「…うわ、もう忘れた」




『まじか』




「どんなんだったっけ」




『…えっとねー、私も忘れた』




「ふはは!笑」






目黒の隣は、案外悪くない。
私が変われば、目黒の居心地も良くなるのかも。


夕日が差し込んで、目黒の笑顔が輝いている。

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作者名:MooN | 作成日時:2022年1月31日 20時

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