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「あたし達こっちだから!Aとテクノくんじゃーね!付き合ってくれてありがと!」




『うん!ばいばい!』




「目黒もまたねえ!笑」




「なんで深澤先輩笑ってるんすか」




「いやあ?笑」




「なんすか」




「はいもう辰哉いいから!帰ろ!」




「はーい。またねー。笑」






サッと手を繋いで歩いていった2人。
こっちまで幸せな気分になる。






『ふふ』




「本当に仲良いんだな」




『うん』




「…いいなあ」






ちょっと口角を上げてこっちを見ている。
いいなあ、じゃねーわ。






『手は繋がないよ』




「ですよね」






この人、隙あらば付き合ってるみたいな事をしようとしてくる。
他の女子にやれ。






『私も帰るよ。目黒は?こっち?』




「うん、電車乗って帰る」




『駅まで一緒なの…?』




「え、南方面?」




『…うん』




「どこで降りるの、最寄りどこ?」




『…南田』




「うわ惜しい!俺の1個前で降りちゃうのか」




『まじかよ…』






最寄り近いのはだるすぎる。困る。






「一緒に帰ろ、ね」




『テンション上がり過ぎだから…』




「ほら、行こ」




『その身長でジャンプしたら地響き凄いから…』




「行こ!」




『はい…』






なんで目黒と帰んなきゃいけないの。
ここを誰かに見られてたらどうすんの。

私、辛うじて虐められてないけど見つかったら終わりじゃんね。






「Aちゃん何中学だった?」



『中央』



「中央中か。俺南田中だった」




『近いっちゃ近いね』




「ね。もうちょいで同じ中学だったのに」






駅の改札を通って、ホームで電車を待つ。


ふと、っていうか改めて、不思議に思う。






『…目黒さ』




「うん?」




『私と友達で楽しいの?』




「うん」




『…楽しいんだ』




「当たり前じゃん」




『周りにめっちゃ可愛い子いるのに?』




「Aちゃん可愛いじゃん」




『私より性格いい子だってたっくさんいるよ?』




「Aちゃん優しいじゃん」




『…はあ。

そりゃあさ、友達でいてくれて嬉しいよ?でも、目黒に私は似合わな過ぎない?』




「似合うか似合わないかじゃないよ」




『んー、そうかもしれないけどさぁ…』






どんだけ素直で良い奴なんだろう。


そこへ電車が到着して、特に人が沢山降りてくる訳でもなくスムーズに乗車した。

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作者名:MooN | 作成日時:2022年1月31日 20時

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