君の隣が似合いたい【黒】 (ページ46)

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「…で？？？」

『圧すご』

同級生がいない遠くのお店がいいと私が言ってから、

目黒とか後ろの方の渡辺とかと会うのは
いつもこのファミレスになった。

「別に目黒に言ったりしねえから」

『んー、』

なんか、なんとなく、

全部言っていいかなって思った。

『……あのねー、こないだね、

同じクラスの女子に、つめられた、っていうの？
まあそんな感じのがあって』

「…は？」

『あ、怪我とか無いよ？平気なんだけど。

女子トイレに連れ込まれてさ。
トラウマあるから１回しにそうになったんだよね。笑』

「え？」

『それから目黒と話さなくなって、
昨日久しぶりに話したけど…私がやらかした』

「…やらかした？」

『…私のこと諦めてって言っちゃったし、
よく分かんないこと言って、顔も見ないで走って帰ったの…！

ほんとバカ、』

いや本当にバカ。

『ぜんっぜん、そんなこと言いたかったんじゃないの！

ちょっと前までなんなら告白でもしようかとか思ってたのに！

他人に口出されただけで
なんも出来なくなるの本当情けないしさあ…！』

「おーおー、やけ酒みたいにオレンジジュース飲むなよ」

『あと、帰ったらメールきたの、目黒から！』

「うん」

『あっち全然悪くないのに謝ってくるじゃん！
どこまで良い奴なの！？』

「愚痴みたいなテンションで褒めんだ。笑」

『でしかも、"まだ諦めてないから"みたいなこと言ってくるから！

もー、素直じゃない私がバカなだけなの！！！』

「うるせーよ。笑」

『そうだよねうるさいよね！！』

酔っ払ったら面倒臭いタイプだ私。

『……だからもう、全部、私が悪いのー、』

「…結構色々あったな」

『うん、』

「…あのさ、さっき言ってたトラウマって何？
言いたくないならいいけど」

『そうだねえ…』

不思議と、話せてしまった。

全部頷いて聞いてくれるから。

…………

「なるほどなあ…そっか、」

『うん』

「…え、ビビりなのそのせい？
だとしたらめっちゃごめんなんだけど」

『それは違うよ。ビビりは生まれつき。笑』

「ああ元々？良かった。
じゃあこれからも驚かせるわ」

『それは…それは、だめだろ』

「ふはは…！笑」

後ろの方の渡辺と友達になれてよかったと、
今更の安堵を覚えた。

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