僕が君の傘になろう。３

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亮、話したいこと、色々あるって言ってたのに。

まずは、生活必需品を揃えようって。


昨夜も、深夜ふけてから、
雨が止むのを待って、
コンビニで少しは買い物したけど、

今日は、ショッピングモールで、大人買い。


亮、買い物なんて、好きじゃなさそうなのに。

普段は私も、
ほとんどの買い物はネットで済ませてる。


店員さんに、
好奇の目で見られるの嫌だし、
意思疎通が難しいし。


でも、デート気分で楽しい。

気分、じゃなくて、ほんとのデートなのかな？


生活雑貨の次は、洋服屋さん。


(亮、こんなにたくさん、勿体無いよ)


(毎日、同じ服着てるわけにいかんやん。
もう、家には帰らんとって欲しいねん)


手話で話す私たちを、
店員さんや他のお客さんが、
興味本位で見てるの、
気付いてる。


「あの人、すっごくかっこいいのに。
聞こえてないのかな」


「うわ。勿体無いなあ。
すっごくいい男」


こっち見て、何かひそひほ話してる、
学生らしき女の子達。

私はいいけど、
亮が非難されるのは、耐えられない。


亮が、レジのカウンターの上に、
洋服を６着、どんっと置いた。


「これ全部、下さい」


慌てて、
自分のお財布からカード出そうとしたけど、
亮がさっさと払ってしまった。


(亮、お金・・・
あとで払うね)


大量の荷物で、
亮の両手は塞がってて、
手話は出来ない。


「いらんわ」


何か言って、先にエスカレーターに乗ってしまった亮を、慌てて追いかけてく。


一つ上の亮が振り返って。


「俺が勝手に買いたかっただけやし。
それに、奥さんなったら、
財布、一緒やねんから」


また、何か言ったけど、分からなかった。




車に乗り込んでから、
みんなで行った海へ。


昨日の嵐が嘘のように、
穏やかな夕凪。

堤防に並んで座って、眺めてる。


(エスカレーターで、なんて言ってたの？)


聞いてみたけど、教えてくれない。


(もうええねんて)


(気になる、)


私の手を取って、
黙らせて、

誤魔化すように、唇をキスで塞がれた。


こうされたら、もう、何も言えなくなる。


(A。
俺に、約束、二つして欲しいねん)

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