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誠「お、えぇっ」
「誠也くん本当に大丈夫？」
誠「だ、いじょうぶな、はず」
「はい、お水」
誠「ありがとぉなぁ……」
「好きなもん乗り」って言ってくれる誠也くんに甘えて
空中ブランコ、フリーホール、ジェットコースターって
はしゃいで乗っちゃったら、
気づいた時には誠也くんは隣で真っ青な顔してて。
ベンチにもたれかかりながら
お水を開けたら一気に半分ぐらい飲んで、ため息ついてる。
誠「……死んだ思うた」
「ごめんなさい、私ばっかり楽しんで」
誠「なに言うてるん？
今日はAが主役の日なんやから楽しまな。
俺が高校生ノリで乗ったんが悪いやし(笑)」
よしよし撫でてくれるのは嬉しいけど
罪悪感は消えないまんま。
こんなんじゃまた妹扱いされちゃう。
誠「A、どしたん？眉ハの字やで」
「誠也くんにはないしょ」
誠「ないしょなん？」
「うん、」
だってこんなん絶対言えへんもん。
誠「それやったら、ちゅーしたら教えてくれる？」
「えっ、」
今の私の聞き間違い？
誠也くんから、「ちゅー」って言われた気が。
誠「唇尖らせてるから、ちゅーしたら言うてくれるかなぁって。
だめ？」
「だ、だめだよ！ちゅ、ちゅーなんて！」
誠「教えてくれなするで？ほら、はやく、」
「やっ、誠也くん近い……！」
離れようとする膝を腕で押さえて
誠也くんが目の前で妖しく微笑む。
な、慣れてる！
誠也くんチャラい！
恥ずかしい！
いつもの誠也くんじゃないみたいにやらしくて
見ちゃだめな気がして手で隠す。
「だ、だめ……！」
誠「……く、はは(笑)！
そんな必死に隠さんでもえぇやん！」
「誠也くんチャラい！おばか！」
誠「だってAめっちゃかわえぇから」
顔絶対赤いから手の隙間から誠也くんを睨んだら
きゃは！って笑ってるから、もう悔しくて悔しくて。
ほんまに誠也くん、人の気も知らんで！
「やっぱり誠也くんズルい！！」
誠「あ、久々に言われた。Aの『誠也くんズルい』(笑)」
「ズルいもん！ズル誠也くん！」
誠「あ、こら！
今日は逃がさへんで？」
ベンチから立ち上がろうとした私の手をしっかり掴む誠也くん。
誠「今鬼ごっこしたらすぐ捕まえられへんから。
俺の隣におって、な？」
その上目遣いに弱いの知ってるくせに。
やっぱりズルいもん。
「……チュロス買ってくれたら許す」
誠「はいはい、仰せのままに(笑)
お姫様？」
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作者名：マリア | 作成日時：2023年11月4日 1時
