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そっからまた車乗って海沿い走りながら
お互いの好きな曲を流したりして、
「ユキさんって林檎さん好きなんすね、なんか分かるわ」
結「カラオケでもけっこう歌うんだよね」
「え、カラオケ行くんすか？」
結「うん、2年会でもよく行く。
『群青日和』歌ってたら横でエアバンドしてたりして(笑)
「マジか、オリバーさんドラムってタイプちゃうやん(笑)」
結「それがけっこう面白いんだよ(笑)」
「え、今度俺ともカラオケ行きましょ？」
結「うーん、」
「うわぁ、めっちゃ渋るやん(笑)」
結「だって恥ずかしいんだもん。あと、2人カラオケにはあまりいい思い出が」
「……それって、俺聞いたら妬くやつ？」
結「……やめとこ、」
なんか告った途端、ユキさんのアダルトなとこがちょいちょい出てきて
拗ねたり妬いたりやっぱ振り回されてて。
まぁ、また距離が近なったってことなんかな？なんて思いながら
日が暮れる頃、ユキさんのアパートまで戻ってきた。
結「大晴くん、今日はありがとう。とっても楽しかった」
「こっちこそ、めっちゃ楽しかったです」
シートベルト外すの見てたら
ユキさんが急にバッグを開けて、
結「これ、今日のお礼と誕生日プレゼントに」
そう言って渡されたんは、たまたま寄った香水の店で
一番気になってた香水の箱。
「え、いつの間に？」
結「内緒。でも気になってたみたいだったから」
「これ、けっこう高かったからまた今度って思っててん。
え、めっちゃ嬉しい。
ありがとうございます、大事にします」
結「うふふ、使ってね？」
悪戯が成功したみたいに楽しそうにユキさんが笑うから、
ふいに好きやなって、手をひいてそのまま抱きしめた。
「ユキさん、ほんまありがとう。
俺、ちゃんと待ってるから」
結「……うん。私の方こそ、ありがとう」
背中に回る腕の温もりが気持ちくて、
耳元で聞こえる声が優しくて、
このままちゅーしたいなって思うけど、
めっちゃ我慢して
今日は離してあげる。
「それじゃ、また部活で」
結「うん。おやすみ」
「おやすみなさい、」
車から降りて、振り返ったユキさんに手を振って車を出す。
サイドミラーに手を振ってるユキさんが映って
急に胸が苦しなった。
それは、淡い希望と優しい絶望が一緒くたになったような、そんな痛みやった。
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作者名：マリア | 作成日時：2023年11月4日 1時
