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「うわ、これユキさん好きそう」
結「どれ？あぁ、好きな形かも」
アクセサリーショップでブレスレット見て、
さすがにお揃いでほしいなぁとは言えへんかったけど
ユキさんが好きそうなんはなんとなくチェックして。
結「どう？」
「あかん、全然似合ってない(笑)」
今度、2年組でドライブ行く時につけようかな？って
安物のサングラスかけてみたけど
それがビックリするくらい似合ってなくて(笑)
「ほら、こんなん」
結「……イケメンは何つけてもイケメンだからね」
多分、嫌味のつもりなんやろうけど
いじけてるんがかわいくて全然ノーダメージやったり。
「……え、これ全部買うんすか」
結「これでも少ない方だよ？」
「脚本の資料とか？」
結「それもあるけど趣味の側面が強いかも。
ほら、この絵とかいいでしょ」
「お、おぉ……。綺麗な裸」
結「え っち。
でも背中が強調して見えるでしょ？
これ、人体の構造的には非現実な比率でね。
この女性が本当に立ったら
すごく胴長になっちゃうんだって」
「へぇぇ、でもいいっすね。
この絵の中ではそのバランスで成立してるっていうか」
結「そうそう、正確性だけが絵画の魅力じゃないからね。
今度いい展覧会があったら一緒に観に行こうか？」
「そん時は、ユキさんの解説つきでお願いします(笑)」
ユキさんの買うた絵画の本片手にお昼ご飯の相談してたら
めっちゃえぇ匂いが流れてきて
誘われるまんま匂いがしてきた洋食屋さんに入ったら、
そこがまたえぇ感じの雰囲気のお店で。
「うわぁ、めちゃめちゃお洒落やん」
結「あ、見て。包み焼ハンバーグ1番人気だって」
「うそ！俺めっちゃハンバーグ好き！」
結「んふふ、好きそう(笑)」
向かい合って座るユキさんが可笑しそうに笑うから
恥ずかしかったけど、まぁえっかってことで
俺はその包み焼ハンバーグ、
ユキさんは和風ハンバーグを頼んでちょっと休憩。
結「……あ、ガリレオ温度計だ」
壁に飾られてた置物を見て、ユキさんが呟く。
「ガリレオ温度計？」
結「そう。液体の中に丸いのが浮かんでるでしょ？
あれが一定の気温になったら上がったり下がったりするの」
「へぇ、インテリアや思ってたけど温度計なんや」
ぷかぷか浮かんでる一個がゆっくり落ちてく。
なるほど、あれで気温分かるんやな。
めっちゃ面白いやん。
ほんま、ユキさんは俺が知らへん世界をいっぱい教えてくれる。
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作者名：マリア | 作成日時：2023年11月4日 1時
