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いつもより空いてる高速を
誠也くんと私の地元の方面にしばらく走る。
誠「今日は写真撮らへんの？」
「え、」
誠「ほら、前に俺の運転姿めっちゃ撮ってたから」
「あぁ！
……うん、今日はいいの」
今日は写真やなくて、ちゃんと誠也くん見てたいから。
なんて言えないけど
にやけながら座りなおす。
誠「今日もいっぱい写真撮ろうな。
あとでアルバムとか作って送り合ってさ」
「誠也くんって写真好きだよね。
この間のチューリップの時もいっぱい撮ってたし」
撮った写真は全部送ってくれたから
もちろん全部保管してるけど。
誠也くんも私も楽しそうで、見てて幸せな気分になれるから
たまに見返してる。
誠「俺とAって歳が3つ違うやんか。
小学校卒業したら学校一緒になることもなかったし、
俺も部活とか生徒会とか忙しくしてたら
ほんまに会う事なくなって。
ほんで久々に会えた思うたら、
見るたんびに別人ぐらいAが成長してるから
それが寂しくてな。
やから、いっぱい写真に残しときたいんよ。
今のAを、」
誠也くん、そんなこと思ってたんだ。
初めて誠也くんの制服姿を見た時、
私も本当はすっごく寂しくて。
早く誠也くんと同じ制服着たいって中学生になったら
今度は誠也くんが高校生になって。
どんどんカッコよくなってく誠也くんを見てたら
声のかけ方が分からなくなっちゃって。
今、誠也くん何してるんやろ。
もしかしたら、かわいい女の子とデートしてるんかなって
勝手に想像して泣いたことも何回もある。
誠「Aが俺んとこの大学受けるって聞いた時、
ほんまにめっちゃ嬉しかったんやで。
また一緒におれるやんって」
「そうなんだ……。
ほんまはね、ずっと不安やった。
誠也くんとおんなじ大学行きたいってだけでで受験勉強始めたから
こんなんで選んでよかったんかなって、
誠也くん、迷惑してへんかなって。
やけど、あの時頑張ったから
今、誠也くんと一緒におれるし
大好きな友達もできたから、
……これでよかったんやって、今は思ってる」
左手首につけてきた
エリーちゃんからもらったブレスレットに触る。
全部、今に繋がってるんやなってほんまに思う。
誠「ありがとうな、A。
頑張ってくれて」
「うん、……頑張ってよかった」
この声がすごく優しくて、
だめだめ、始まったばっかりなのに泣いちゃいそう。
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作者名：マリア | 作成日時：2023年11月4日 1時
