〇ざらりとする衝動-Blue. ページ32
・side.Yoshinori
江「正門先輩、大丈夫ですか？」
部室で衣装用に採寸してたら
急にエリーちゃんが心配そうにこっちを見てきた。
エリーちゃんちっちゃいから
どうやっても上目遣いになるんがかわいくて
ついついにやけてまいながら首を傾げる。
「ん？なにが？」
江「いえ、その……顔色が良くない気がして。
今だって汗かいてるし」
「あぁ、俺汗っかきやねんな。はずかし(笑)
大丈夫、別に何ともないで？」
江「そう、ですか……。
すみません、余計なお世話でしたよね」
「ううん、全然(笑)
むしろ心配かけてもうたみたいやし、
お詫びにあとでなんか甘いものご馳走しましょ」
江「え！？いいです大丈夫ですっ！」
「そんな断られたら悲しいなぁ、
エリーちゃん衣装づくり頑張ってるから甘やかしたいのになぁ？」
江「う、うぅ……っ！
甘いのは甘いものだけでいいので！！
正門先輩は甘くなくていいんで！」
「ふは(笑)やっぱかわえぇわ」
頭をぽんぽん撫でたら顔真っ赤にしてるエリーちゃんを見て笑ったら、
ズキッと頭の奥が痛なったけど
丁寧に笑顔を作ってなんとか誤魔化した。
・
誠「……ってことで、
学祭公演終わったらいよいよ4役員とセクション長も交代するから
それぞれちゃんと引継ぎ書なり作って準備しとくように」
―はぁい、―
誠「ほんなら今日の会議はここまで、お疲れさん」
ガタガタ椅子が動く音を聞きながら
痛む頭のマッサージをしてたら肩をぽん、と叩かれて。
誠「正門、ちょっとえぇか？」
「あ、はい。なんですか？」
誠「次の庶務なんやけど、小島どうかなって思うてんねん。
正門どう思う？」
「あぁ、えぇんやないですか？
正直まめさで言ったら大晴の方がまめやと思いますけど、
2年で役員やるんは後々部長になることも考えてってことなんで
そうなったら、大晴よりこじけんの方が部長向きかなと、」
誠「そうか、そんなら小島に話してみるわ。
引継ぎ大変かも知れへんけど、よろしく頼むな？」
「こじけん困ったら泣きついてきそうで嫌やなぁ(笑)」
めっちゃ想像できてまう未来に笑ったら
また頭がズキッとして。
身体が冷えたんか寒い気がする。
誠「正門、どうかしたん？」
「あ、いえ何にも」
誠「そうか。じゃ、役者セクミ行くで」
「はぁい、」
立ち上がったらちょっとふらってなったけど
先を歩く誠也くんには運良く見つからへんかった。
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作者名：マリア | 作成日時：2023年11月4日 1時
