キミに恋するワンシーン！第7章！ (ページ31)

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◆〇嵐の前の静けさ？ページ31

・side.Ellie

「気のせいだったのかなぁ……」

大「どうかしたんエリー？

　ほっぺ潰れてんで」

ぷに、とほっぺを突かれて恥ずかしいから机に顔を隠したら

「逃げられた(笑)」って楽しそうな大晴くん。

日曜日に結城先輩とデート行くらしくて

ずっとそわそわしててかわいいけど、

そわそわしすぎて採寸が進まないからちょっぴり困ってたりする。

って、今はそのことで悩んでるんじゃなくて。

「あのね、さっき正門先輩の採寸してたんだけど、」

大「まっさん？」

・

『正門先輩、大丈夫ですか？』

良『ん？なにが？』

いつもの笑顔で首を傾げた正門先輩に

少しおかしいって思うのは

私が正門先輩のことを見過ぎてるからかもしれないけど。

『いえ、その……顔色が良くない気がして。

　今だって汗かいてるし』

10月も中旬でやっと過ごしやすくなったのに

首筋にしっとりと汗をかいてることに気づいて声をかけたら

正門先輩は目尻をさげてくしゃって笑った。

良『あぁ、俺汗っかきやねんな。はずかし(笑)

　大丈夫、別に何ともないで？』

『そう、ですか……。

　すみません、余計なお世話でしたよね』

良『ううん、全然(笑)

　むしろ心配かけてもうたみたいやし、

　お詫びにあとでなんか甘いものご馳走するな？』

『え！？いいです大丈夫ですっ！』

この間のコスプレ未遂事件のこともあって

さっ！と安全圏まで後ずさったら

へにょんって眉をさげて唇を尖らせてる。

ズルい！絶対、私がその表情弱いって分かってるのに！

良『そんな断られたら悲しいなぁ、

　エリーちゃん衣装づくり頑張ってるから甘やかしたいのになぁ？』

『う、うぅ……っ！

　甘いのは甘いものだけでいいので！！

　正門先輩は甘くなくていいんで！』

良『ふは(笑)やっぱかわえぇなぁ』

ぽんって頭を撫でられて

その場は流れちゃったけど、

「やっぱり無理してたような、」

大「そうかなぁ？俺ら会った時はぴんぴんしてたけどな。

　なぁ、こじけん？」

健「……ん、なんて？」

大「もぉ、聞いとけって(笑)」

健「あぁ、すまん……」

いつもなら一緒にお話してくれるのに

今日のこじけんくんはひとりでぼんやりスマホを見てて、

何かあったのかな？って

大晴くんにアイコンタクトを取ったら、

小さく首を振ったから

何も触れないでいようって決めた。

「うーん……」

みんな、どこかそわそわしてるのは

嵐の前の静けさ、だったりするのかな。