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結「……やっぱり大晴くんって優しいよね。
優しくすぎて、勘違いしちゃいそう」
「勘違い？」
結「……大晴くんが彼氏だったら、って勘違い」
「えっ、」
なんで、そんな泣きそうな瞳でこっち見るん？
いっそ勘違いしてえぇのに。
いっぱい甘やかすから、そんな
「ユキさん、俺、」
―次の対戦は演劇部対ラジオ研究会です。
選手の方はBコートにお集まりください。繰り返します、……―
放送が聞こえて、ユキさんの視線が気まずく逸れる。
結「行かないとね、」
「待ってや、」
そんまま離れようとするから
咄嗟に腕を掴んでた。
もう、我慢できひん。
引き寄せたらそのままユキさんを抱きしめる。
結「大晴くん、」
「ユキさん、お願い聞いてください。
お泊りした時のお願いごとの残り」
結「え……？」
「今度の日曜日、俺とデートしてください」
戸惑ってた身体がぴくっと止まって。
背中に腕を回したら
少し冷えてる身体をもっときつく抱き寄せる。
心臓バクバク言うてるのが
ユキさんまで伝わってまいそう。
「ちゃんと、その時に全部伝えたいです」
いっそ、バレてもうて
俺とおんなじくらいドキドキしてくれたらえぇのに。
そしたらおあいこやろ？
息もできひんくらい緊張する沈黙が
ちょっと続いた後、
結「……分かった」
小さな声で頷いてくれて。
ほっとしたのを隠して身体を離したら
ユキさんは恥ずかしそうに俯いた。
ちょっとはドキドキしてくれたんかな？
もしそうやったら、めちゃくちゃ嬉しい。
―誠也くん！こっち向いてぇ！―
―正門くーん！！―
「あかんっ、ユキさん試合始まんで！」
結「あ、急がないとっ」
「行こ！」
ユキさんの手を引いて、走ってコートに入ったら
女子の黄色い声援に囲まれた誠也くん達が
「遅い！」ってめっちゃ来い来いしてるから慌てて集合する。
誠「よっしゃぁ、お前ら次こそ勝つぞ！」
―おぉぉい！！―
円陣になってユキさんと肩組んだら
さっきのハグを思い出して、一瞬恥ずかしくて。
誠「いくぞー！！」
―おぉぉぉ！！―
そわそわしたまんま顔上げたら
反対側におったまっさんと目が合った。
ばちって視線が交わって、
やけど、逃げたなくてじっと見つめ返す。
先に目を逸らしたんはまっさんの方で。
「……よしっ、」
負けたくない。
頬を張ってもう一回、気合いを入れなおした。
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作者名：マリア | 作成日時：2023年11月4日 1時
