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「ユキさん！」
結「あれ、大晴くん？」
「俺もお手洗い行きたなったからついてきちゃいました(笑)」
結「あらら。じゃあ一緒に行こっか？」
「わぁい、ユキちゃん行こ行こ♪って
なんか女子っぽくないっすか(笑)」
結「今たい美ちゃんだから余計にね(笑)」
「えへ、じゃあ女の子同士腕組んでいっちゃう？」
結「んふふ、いいよ」
めっちゃ悪ノリで言ってみたらノッてくれたから
腕組んで盛り上がってる体育館を出たら
ホールにはあんま人がおらへんくて
風が急に涼しく感じた。
「ユキさん冷えてへん？けっこう薄着やし」
結「ちょっとね。
でも、たい美ちゃんのミニスカートも気になるでしょう？」
「しょうみ、めっちゃスース―してます(笑)」
結「だよね(笑)
あ、男子トイレでいいのかな？」
「え、女子入ったらさすがにヤバいっしょ？」
結「そうだけど。かわいすぎて襲われそう、」
「そん時は空手でやっつけますから！」
心配そうなユキさんにムキってして見せて、
男子トイレ入ったら鏡の前で前髪をいじる。
ほんま女の子って大変なんやな。
この一束どうする？って延々気になるもん。
『ジュエリーゼ』観てからというもの、
女の子理解度みたいなんがちょっとあがった気がしてて
エリーもめっちゃ影響受けたみたいやし
やっぱユキさんの脚本ってすごいんよな。
「よし、」
顔面全部チェックしてトイレから出る。
すれ違いに入ってきた男子にビックリされたけど
まぁ、しゃあないか。
だってかわえぇし。
ホールにおるやつの顔確認しながら待ってたら、
結「お待たせ」
「全然♪ほら、ユキちゃん帰ろ？」
来た時みたいにふざけて腕組もうとしたら
ユキさんが目を細めて微笑んだ。
結「……ありがとう、大晴くん」
「え、何が？」
結「私が酒寄君と会っても大丈夫なように
ついて来てくれたんでしょ？」
「……バレちゃいました？」
おどけて言うてみても、ユキさんの眉がへにょんってさがる。
もう、だから内緒にしてたのに。
向き合ってユキさんの顔を覗き込んだら
目がうるうるしてて。
不謹慎やけどちゅーしたなるくらいかわいくてしゃあない。
「何かあっても嫌やし、
俺が勝手についてきただけやから気にせんといて。
それに、ユキさん1人になったら
またいっぱい考えこんじゃうかも知れへんから
近くにいたかったんよ」
ぽんって頭を触ったら
唇をきゅっと結んでユキさんが俯いた。
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作者名：マリア | 作成日時：2023年11月4日 1時
