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嶺「あ、いっけね。試合だから戻んなきゃ」
涼「えっ、お兄さん次っすか？
ってことは俺らの対戦相手じゃん(笑)」
嶺「あー大丈夫、うちゴリラか雑魚しかいないから。
それじゃ結城ちゃんまたね？
正門も授業で」
涼「お兄さんせっかくなら途中まで一緒に行きましょ♪
じゃ、連絡待ってんね♡Aちゃん」
さらっと手を振って去って行った嶺亜くんと橋本くん。
なんか、普通にカッコよかったな2人とも。
めっちゃ楽しそうに喋りながら行っちゃったけど
あれってどういう関係になるん？ライバル？
首傾げてたらユキさんがぽつりと、
結「……自分で言うのもなんだけど、カオスだよね」
あ、やっぱそう思うんや(笑)
俺がバグってるだけちゃうくて安心した。
良「あん子ら、結城の知り合いなん？」
結「まぁ……一応、知り合い」
それ以上は言わへんかったユキさんに
まっさんは「ふぅーん、」って微かに目を細めたら、
良「まぁ、酒寄と1対1にならへんかったからえぇか」
ぽん、と髪飾りで彩られたユキさんの頭を撫でる。
上目遣いにまっさんを見つめるユキさんの視線は
何かを欲しがってるようにも見えたけど
結局黙って撫でられてるだけで。
結「ちょっと寒くなっちゃったから、
お手洗い行ってこようかな」
―あ、ほんなら俺も帰るし途中まで一緒に行く？―
結「ううん、平気。
それに大吾くんと歩いてたら
映像研のカメラに捕まっちゃうから(笑)」
―ははっ！ほんまやな(笑)
危うく『クレオパトラをナンパ！』って
部内に特ダネ提供するとこやったわ―
結「うふふ、スキャンダルにならないでよかった(笑)
それじゃあ、試合までには戻ってくるね」
良「結城、」
結「ん？」
良「……いや。
酒寄のこと、誠也くんには俺から言うとくわ」
結「うん、ありがとう」
歯切れの悪い言い方するまっさんに
少し眉をさげてユキさんが離れてく。
まっさん、ほんまはついて行きたいんやろうな。
後ろ姿を見る横顔がそう言うてるもん。
けど、行かへんのやろ？
……そんなら、遠慮はせぇへんで。
「まっさん、俺もトイレ行ってくるんで
試合までには戻るって誠也くんに言っといてください！」
動かへんのをいいことにちゃっかり伝言頼んで走りだす。
人だかりをどんどん追い抜いたら
探してた後ろ姿はすぐ見つかって。
華奢な背中がめっちゃ愛しくて、
抱きしめたなるのを我慢して肩を叩いた。
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作者名：マリア | 作成日時：2023年11月4日 1時
