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大「正門、あの子と付き合えば？」
「はぁ？急に何言い出すん」
大「えぇやん、なんか可愛らしいし正門好みやろ？」
「いや、確かにかわいがってはおるけど
あん子はそういうんじゃないのよ」
大「じゃあどーゆーのやねん」
「えぇーなんやろ……。
かわえぇ生き物見とる感じ？癒し系っていうか」
大「それは好きにはならへんの？」
「いやぁ、なんかちゃうくない？」
大「あっそ。
別にふらふらしとる正門が嫌いとか、そんなんちゃうけどさ。
たまには真面目に恋愛してもえぇんやないの？」
草履脱いだ足をぷらぷらさせながら
俺を見る大吾の視線から目をそらす。
「真面目な恋愛、ねぇ」
大「誰か気になっとる子とかおらんの？」
「どうやろなぁ、」
大「結城ちゃんとはどうなってるん？」
「……結城はそういうのちゃうんよ」
大「だから何がちゃうねん」
「大事にしたい、」
大「どう大事にしたいん？」
「……傷ついてほしくない。
結城が夢中で脚本書ける場所を守ってあげたい」
大「……それを“恋”って言わへんの？」
「どうやろな。
ただ、“恋”って呼んでもうたら……結城を傷つけてまう気がする」
大「恋で傷つける、か……」
ちらっとそっぽ向いた大吾が
「ふぅーん」って息を吐いた。
大「正門優しいからな、
色々気遣ってんねやろうけど、
けどグダグダしてたら横から掻っ攫われんで？
結城ちゃん美人やし」
「……まぁ、そうやろうな」
大「まっ、今度また3人で飯でも行きたいなぁって
結城ちゃんにも言っといてよ。
脚本の話とかもっと聞きたいし」
「分かった、よろしく言うとくわ」
大「やった、ほなよろしく♪」
「あんまはしゃいだらまた彼女さんに妬かれんで？」
大「大丈夫やって、今度は写真付きで説明してでも行くから。
ってかめんどくさいから「正門の彼女」って言う(笑)」
「おい、情報の捏造やめろ(笑)」
大「それにしても結城ちゃんほんまモテるな。
イケメンハーレムなってるやん」
「ほら、」って大吾の指差す方振り向いたら
確かにイケメンと番犬してるっぽい大晴に囲まれとるけど
その後ろにふと、知った顔が見えた。
「……酒寄？」
大「え、去年の例の？」
「大吾ごめん、俺ちょっと行ってくる」
断りを入れたら、大吾も一緒に立ち上がって、
大「なら俺もお邪魔しよ、
……なんか、事件の匂いがする」
きらっと光った大吾の瞳は
危ない気配の前触れや。
〇Slapstick Drama(後編)-Orange→←◆ツレと、熱と、恋問答。
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作者名：マリア | 作成日時：2023年11月4日 1時
