キミに恋するワンシーン！第7章！ (ページ3)

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え、なんで泣くの！？

とにかく何かあやすもの、あ、

「エリーちゃん、あーん」

モンブランをあーんしてみる。

江「おいひぃ」

「よかった、泣き止んでくれた」

大「かわえぇなぁ(笑)」

健「俺は分かるで、エリーの気持ち。

　いやぁ、めでたい」

「そんな。ただのおでかけかも知れへんもん」

健「いーや、あぁ見えて意外と真面目な誠也くんが

　わざわざ学校休んでまで出かけたい。しかも誕生日に。

　こんなんほぼそういうことやん」

「そうかなぁ……？」

もしかしたら、なんてそんなん私も考えちゃうけど。

でも、もし違ったら

恥ずかしいとか色々飛び越えて泣いちゃうかも知れへんから

ただのおでかけって毎日自分に言い聞かせてる。

江「も、もし誠也先輩から何もなかったら、

　その時は私が、ガツンと言って、みる」

大「え、エリー言えるん？」

江「『あだっちーちゃんを振り回さないでください』って

　い、言う」

健「マジか！エリー強なったなぁ！」

本当にこの間の公演が終わってから

エリーちゃんの変身ぶりはすごくて、

こじけんがわしゃわしゃ髪の毛を撫でたら

ほんのり甘い匂いがしてくる。

確か好きな先輩にもらったって、こっそり教えてくれた匂い。

「エリーちゃん、ありがとね」

こんな素敵なお友達ができるなんて、私は絶対幸せものだもん。

明日がどんなおでかけになるかは分からないけど

みんなにもお土産買ってこれたらいいな。

ちゃんとメモしとこ。

大「ま、何もなくても

　まずは楽しまなあかんよな、せっかくの誕生日やし！

　ってか俺らも今度お祝いしよーや」

健「えぇな。思いきってユニバ行く？」

江「え、ちょっと金欠かも、」

大「それな(笑)

　新入生公演からすぐ学祭公演ってほんまバイト入る暇なさすぎ(笑)」

健「たいせー来月誕生日やねんから、

　お祝いで連れてってくれてえぇで？」

大「マジでふざけんな(笑)」

いつも通りふざけてるこじけんと大晴くんを見てたら

エリーちゃんがこっちを向きなおる。

江「これ、一日早いけど誕生日プレゼント。もらって？」

「え、いいの？」

江「うん。あだっちーちゃんには本当にお世話になってるから」

「エリーちゃん……。ありがとう！大事にするね！」

ラッピングされた袋を大事に抱きしめる。

この瞬間があるのも

きっと、誠也くんのおかげやもん。

明日、何があってもちゃんと言えたらいいな。

いつもありがとう、大好きだよって。