〇王子さま、降臨。-Blue ページ14
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トントン、
叩かれるって分かってたはずなのに
ドアをノックする音に肩がびく！ってなる。
部室の扉が開いたらひょっこり覗く今日も推せるお顔。
良「誰もおらへんかと思った(笑)
入ってもえぇの？」
「ど、どどどうぞ……っ！」
過去最大級の緊張で手はガッタガタ。
これは『夏バケ』の初演よりひどい。
こじけんくんに壁ドンしてもらえばよかった……、
っていやいや。
今更だけどおかしくない……？
良「お嬢さぁん、大丈夫？」
「ひゃあ！」
目の前でひらひら手を振ってる正門先輩が近くて
後ずさって逃走。
ムリ、2人きりなんて無理！
なんでこんな時に限って誰も部室いないの……！
良「なによぉ(笑)
今日のエリーちゃんはいつにも増してちょこまかしとるなぁ。
まぁ、かわえぇからえぇけど」
「かっ！！
……正門先輩、今日は一言も喋らないでください。
誰か来るまででいいので」
良「えぇ？おしゃべりしたらあかんの？
そんなん寂しいやん」
そんな眉ハの字にしてかわいいお顔してもダメです！
今日は本当に、本気で、真面目にやらなきゃいけないんだから！
だめだめ、集中。
深呼吸を3回して煩悩を追い払う。
……よし。
「正門先輩、今日はお時間いただいて有難うございます」
良「あ、どうもどうも」
「早速ですが、こちらにお着替えをお願い致します」
良「おぉ！これがエリーちゃんがつくった衣装やねんな」
ガラガラ部室まで引きずってきたスーツケースから
慎重に取り出した衣装を見て、
正門先輩の目がキラキラしてる。
うぅ、そんなに見られると余計に恥ずかしいのに。
「ま、まだ仮縫いの所とかもあるのでですね、
あんまり細部は見ないでいただけると助かりま、」
良「うひょー！めっちゃカッコえぇやん！
え、これどないなってるん？マント？着物？」
「あ、えっとですね。
一応片袖だけ着物袖なんです。
それで、実はこれはマジックテープで、」
良「え！？ここベルトじゃないの？」
「そうなんです。
下に細めのベルトもするんでこれは見た目重視と言いますか。
でもやっぱりマジックテープの方がしっかりつくので、
ポーズ撮ったり動いたりする時も安心なんですよね」
良「はぁぁ、機動性も確保されてる訳や。すごぉ……」
へぇ、って感心する正門先輩に
嬉しくてつい衣装熱も入っちゃって、
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作者名：マリア | 作成日時：2023年11月4日 1時
