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「いつのタイミングなの？リチャ君的には」
思い出したらきっと照れそうだから、
カフェオレのストローを咥えながら
なんてことない顔して聞いてみる。
リ「夏休み終わるギリ前ぐらい。でも9月やったで。
ガイダンス受けに来て、
一緒に昼飯食って部活行くわぁってなったら
いきなり清風に『私のこと、好き？』って聞かれて、それで、」
「それで？」
リ「……覚えてるやろ絶対。その顔してんねやから」
「てへ、バレちゃった」
言ってほしかったのにな。
あの時みたいに、「俺も好きやで」って。
いじけたフリして唇を尖らせてるのに
ほうじ茶ラテのストロー咥えて知らんぷりしてるの
バレてるんだからね？
リ「……で？
俺はそん時や思ってたけど、違うん？」
きょろってこっちを向いた目が見つめてくるから
渋々ストローを離して、次は私の番。
「だってあの後、
リチャ君が『今は新入生公演に集中したい』って言ってたから、
だから、お付き合いとかそういうのは
今はできないんだろうなぁと思って。
それで、新入生公演が終わってちょっとして、
2人で帰ってる時に急にリチャ君が手繋いでくれたから
……もうお付き合いしていいんだな、って」
あの時、本当に嬉しくて。
いつもの帰り道が
初めて見る景色みたいに街並みが輝いて見えたのはすごく覚えてる。
懐かしいなぁって自分の手をにぎにぎしてたら、
リ「……俺も、それは憶えてる」
ぽつりと呟いた声に振り向いたら
ほうじ茶ラテは机の上にあって、
おだんご頭を触るリチャ君。
リ「じゃあ、……どっちもってのもえぇかもな」
「え？」
リ「やから、好きって分かった日と、初めて手ぇ繋いだ日と。
どっちも記念日でも、えぇよなって」
絶対目を合わせてくれないけど、
それでも、胸がきゅんとした。
やっぱり、リチャ君好きだなぁ。
会う度にそう思うなら、毎日が記念日みたいなものかも知れない。
「ふふ、」
リ「ちょ、笑わんといて」
「ねぇリチャ君、来年はどっちもお祝いしてみよっか。
好き記念日と、手つなぎ記念日」
リ「どっちも日付覚えてへんやろ」
「確かに(笑)」
くすくす笑い合ってたら、リチャ君が「まぁ、」って口を開く。
リ「記念日とか特に意識してへんけど、毎日楽しいで」
「うん、……私も」
ロマンチックではないかも知れないけど、
こういう距離感が心地いいから。
さて、今日は何の記念日になるかな？
〇王子さま、降臨。-Blue→←〇今日は何の記念日？-Yellow
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作者名：マリア | 作成日時：2023年11月4日 1時
