〇今日は何の記念日？-Yellow ページ12
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リ「お疲れさん、」
「わっ、びっくりしたぁ」
いきなり現れたカフェオレをありがたくもらって
隣の席を片付ける。
後期になってもなんとなく
金曜日は昼休みをゆっくり取れるように講義を組んだら、
リチャ君もおんなじことをしてたみたいで
今日も今日とて、2人で学食にいて。
リ「それ、段田原先生のレポート？」
「そう、「卒論うちで書くなら」っていっぱい出されちゃって」
リ「あれ、もう決まったん？」
「段田原先生の中ではもう決まってるらしいよ？」
リ「勝手やなぁ(笑)」
「そんならこれやるわ」って
机に置かれたのはかわいいプリントクッキーと
ポップなステッカー。
「これどうしたの？」
リ「末澤の遊園地のお土産」
「律儀だねぇ」
リ「ちなみにこのステッカーは俺と
「なんでまた」
リ「『リチャときよかちゃんには世話になったから』やって」
「あぁ、そーゆーこと？」
あっさり納得がいったから
ステッカーはスマホカバーに入れて
リチャ君に見せてみる。
「どう？」
リ「まぁ、えぇんちゃう？
全然清風ぽくなくて」
「それっていいの？」
リ「逆に？」
「ふふっ、ならいっか(笑)」
せっかくクッキーももらったし
ちょっと小休止ってことで。
背伸びをしたら頂き物に手を伸ばす。
「おめでたいね。末澤君ずっと悩んでたみたいだし」
リ「長かったわぁ、ほんま。
『さっさ付き合えよ』って
話知っとる連中全員から多分思われとったで」
「そういうのって本人達だけは
妙に分かってなかったりするもんね」
リ「『もうえぇから告ってまえ！』って
何度も言いかけたもんな」
「あはは、焦れったいんだよね(笑)
でも、もしかしたら私達もそうだったかもよ？
去年の今頃は、」
リ「え？」
「ほら、私とリチャ君が付き合いだしたのってこれぐらいの時でしょ？」
リ「……え？」
怪訝そうに眉を顰めるリチャ君。
「え、」ってえ？
どうしてそんな顔してるんだろう。
リ「俺と清風が付き合いだしたん、去年の新入生公演の前やったやろ」
どうやら今度は、私が「え、」ってなる番らしい。
「あれ、新入生公演の後だったと思うけど」
リ「……？」
絶対納得してない顔して首捻ってるのはかわいいけれど、
これに関しては私の記憶が間違ってる気もしないから
こうなったら答え合わせをするしかないかも。
ちょっと恥ずかしいけど。
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作者名：マリア | 作成日時：2023年11月4日 1時
